家づくり

生活動線と家事動線を考えた家づくりとは?|目指そう!暮らしやすい快適ライフ

家づくりを考えた時「生活動線」と「家事動線」という2つの動線を考えるポイントについて考えていきます。

1.「生活動線」「家事動線」ってなに?

はじめに、「生活動線」や「家事動線」とはどういった概念なのかを説明します。間取りを考える上でとても重要になってくる概念ですので、家づくりの際には常に意識しておくようにしましょう。

生活動線とは

生活動線というのは、住む人が家の中を移動する経路を線状にして示したものです。
特に重要なのは、生活する上で頻繁に行き来をすることになるリビングやキッチン、トイレなどを結ぶ生活動線で、これが複雑であればあるほど室内の移動にストレスを感じやすい不便な間取りとなってしまいます。
一方、生活動線がシンプルであれば、家の中をスムーズに動き回れるようになるため、リラックスして過ごせる住みやすい間取りとなるというわけです。

家事動線とは

家事動線は生活動線の一種で、家事を行うために家の中を移動する経路を線状にしたものです。
生活動線と違って、家事に特化した動線となっているという点がポイントです。
家の中で家事を行う場所はキッチンやバルコニー、洗面所など概ね決まっているので、家事動線も基本的にその周辺に集中する傾向があります。
基本的には、この家事動線も生活動線と同じく、なるべくシンプルになるような間取りにするのが住みやすい家づくりのためには望ましいと考えられています。

2.生活動線を考慮して合理的に!

ここからは、生活動線を踏まえて間取りを考えるためのポイントについて見ていきます。

玄関からリビングやトイレまであらゆる角度で考える

生活動線を考える際には、実際にその家の中での暮らしをイメージしてみるということが大切になります。
例えば、外出先から帰宅した際に、多くの人は玄関で靴を脱ぎ、洗面所で手洗いやうがいをしてからリビングに向かうという行動を取るでしょう。
場合によってはリビングに入る前にトイレに行くかもしれません。そのため、玄関、洗面所、リビング、トイレという4つの場所の位置関係をしっかりと整理した上で間取りを設計することが重要になります。
それぞれの距離が離れていたり、移動するのに障害物を迂回しなければならなくなっていたりすると、帰宅時にスムーズに家の中に入ってくつろぐことができなくなってしまいますので、必要以上にそれぞれの部屋の距離が長くならないようにしましょう。

また、朝起きてから外出するまでの生活動線についてもしっかりと意識しておく必要があります。
寝室を出て着替えを済ませ、リビングで朝食をとって出かけるという一連の動作をできる限りスムーズに行うためには、どういった間取りにするのが良いかという点をしっかりと見極めるようにするのがポイントとなります。
例えば、2階に寝室があるのであれば、寝室から階段を下りてリビングに向かう途中に着替えができるクロークを設けるのも良いかもしれません。
また、寝室からリビングへの経路に洗面所があれば、そこで身だしなみを整えられるので便利でしょう。
このように、生活におけるさまざまな移動経路を踏まえて間取りを設計するようにすることで、実用性に優れた家を実現することができるのです。

来客時にはクロスしないように設計

生活動線を考える上では、来客動線を考えることも重要となります。
来客時には玄関から入ってもらってリビングに案内するという流れが通常ですが、それと生活動線がクロスしてしまうと、プライベートをお客さんに晒してしまう恐れがあります。
そのため、できれば生活動線と来客動線は交わらないような間取りにするのがおすすめです。
一つの案としては、玄関の横に応接室を設けてそちらに案内するようにするというやり方もありますが、そのような間取りを実現しようとすると、かなり大きな家になってしまいがち。
そこまでの余裕はないという場合には、少なくとも寝室や浴室に至る生活動線と来客動線が重ならないようにしておくと良いでしょう。それだけでも随分とプライバシーを守りやすくなるはずです。

3.家事動線がよいと効率的でストレスフリー!?

間取りを考える際には、生活動線に加えて家事動線も意識する必要があります。それによって、効率的に家事を行えるストレスフリーのレイアウトを実現できるでしょう。

家事動線「キッチンまわり」

多くの家庭では毎日炊事をするはずですので、家事の効率を上げるためにキッチンまわりの家事動線は非常に重要となります。
シンクとコンロ、食器の収納場所の間をなるべくスムーズに行き来できるような間取りにすると食事を作るストレスを多少なりとも軽減できるようになるでしょう。
また、出来上がった料理を配膳するために、長い距離を移動するというのも結構なストレスとなりますし、せっかくの料理が冷めてしまうことにもなりかねません。
そのため、キッチンから食事を配膳の場所までの距離もなるべく短くするような間取りにするのがおすすめです。
ただし、必要以上にキッチンまわりをコンパクトにしてしまうと、かえって窮屈になってしまう恐れも。
家事動線を意識しつつ、ある程度余裕を持って料理を楽しめるような間取りにするというのを心掛けるようにしましょう。

なお、おしゃれなキッチンとして憧れる方も多いアイランドキッチンですが、採用する場合は、特に家事動線に気を配る必要があります。シンクを迂回してダイニングまで食事を運ばなければならないような動線になっていると、思いのほか使い勝手が悪くなりかねないからです。
かなり広いスペースを使うことにもなるため、場合によってはアイランド型ではなく、L字型やI字型のキッチンにした方が良いかもしれません。

家事動線「収納」

間取りを考える上では、なるべく余裕を持って収納スペースを設けるという点が大切ですが、それに加えて収納スペースまでの家事動線についても考慮しておかなければなりません。
せっかく大容量の収納を設けても、出し入れするために重たい荷物を持って長い距離を移動するような間取りになってしまっていては元も子もありません。
例えば、パントリーであればキッチンに近いだけでなく、買い物から帰って来て食材などをスムーズにしまえる場所に設けるようにするのがベターです。そのような場所が確保できないのであれば、パントリーではなく床下収納で代替するというのも一案です。

クローゼットについては、朝起きて、着替えてリビングに向かうという一連の流れの中でどこに設けるのが良いかを考える必要があります。コートなどのアウターを室内に持ち込みたくない方であれば、玄関の横にコートを入れるクロークを設けるのも良いかもしれません。

家事動線「水まわり」

キッチンや浴室、洗面所、トイレといった水まわりは、なるべく近い場所に集めるのがおすすめです。というのも、キッチンは家事を行う上で中心となる場所であり、そこから浴室や洗面所、トイレへと移動するケースが家事を行う際には多々あるからです。
その際に、長い廊下を歩いたり、途中でいくつもドアを開け閉めしなければならないと家事の効率が著しく悪くなってしまいかねません。それぞれの部屋をどのようにするかという点に注目しがちですが、各部屋の間をどのように移動するのかも住みやすい家を作る上では同じくらい重要になってきますので、くれぐれも部屋と部屋との間の移動を軽視しないようにしましょう。
なお、一般的には水まわりは1階に持ってくるのが定石とされるケースが多いようですが、場合によっては2階に集めた方がよいこともあります。
例えば、敷地が十分に確保するのが難しい都市部で注文住宅を建てる際には、日当たりのよい2階にキッチンやリビングを設ける場合が少なくありません。
そのような場合に、水まわりが1階にあると、キッチンなどとの間を往復するたびに階段を上り下りしなければならず、家事動線が間延びしてしまいます。リフォームをして水まわりを動かすのはかなり大変ですので、後になって「こんなはずではなかった…」と後悔しないように、水まわりの配置は家事動線を踏まえた上で慎重に検討するようにしてください。

家事動線「洗濯」

洗濯は、身体にかかる負担の大きい家事の一つ。
そのため、間取りを考える際には少しでもその負担を軽くできるようにしたいもの。
2階建ての家では、1階の洗面所に洗濯機を設置し、そこで洗濯した衣類などを持って階段を上がって2階のバルコニーに干すというケースが多いですが、それだと年齢を重ねるにつれて階段を上るのが苦痛になってくる恐れがあります。
そのような事態を避けるためには、洗濯機置き場を2階に設置するというのも選択肢の一つです。
また、乾いた洗濯物を取り込んでたたみ、収納するまでの動線も考慮する必要があります。
階段を上り下りする機会を減らすために、衣類の収納スペースは洗濯物を干す場所と同じフロアに設けるようにすると良いでしょう。

なお、洗濯物を干す場所は必ずしもバルコニーや庭とは限りません。雨天時に干す場所がないと困ってしまいますので、もし毎日洗濯したいというのであれば、サンルームをつくったり、浴室乾燥機を設置するという選択肢も検討してみましょう。その場合は、それらの場所で洗濯物を取り込んで、収納するまでの動線についても意識してくださいね。

4.生活動線と家事動線のまとめ

暮らしやすい注文住宅を実現するためには、生活動線と家事動線の両方を意識した上で、ストレスを感じずに室内を行き来できるような間取りを考えるようにしたいですね。
人によって動線は異なるため、すべてを設計士に丸投げするのではなく、必ずご自分が生活する際の動線をイメージして、施主自らが間取りを確認するようにしましょう。

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監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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