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家づくり
屋上のある家でワンランク上の生活をしよう!|失敗しないためのポイントと対策を詳しく解説!
目次
住宅の屋上の種類について
住宅の屋上の種類には、ペントハウス経由の屋上タイプ、屋根の一部が屋上タイプ、屋外階段からアクセスする屋上タイプ、ルーフバルコニーや屋上テラスタイプなどがあります。それぞれの特徴や魅力を知った上で希望に合った屋上を選ぶようにしましょう。
ペントハウス経由の屋上タイプ
ペントハウス経由の屋上タイプは、最も一般的なタイプの屋上です。具体的には、室内から屋上へのアクセス部分にペントハウス(小屋)を設置したタイプの屋上となります。1階からペントハウスをつなぐエレベーターを設置すると、屋上までのアクセスも簡単です。
ペントハウスを設置する理由には、「屋根部分に太陽光パネルを設置したい」という利用者の要望によることもあります。ちなみに、ペントハウスは全建築面積の1/8以内、高さは5m以下という規定の元で設置しなければいけません。
屋根の一部が屋上タイプ
屋根の一部が屋上タイプの住宅は、住宅スペースがコンパクトな都市部で人気があります。一般的には、ペントハウス経由の屋上よりも、屋上部分が狭く設計されています。また、このタイプはプライバシーとセキュリティを考慮して設計されているケースが多いです。具体的には、適切な手すりやフェンスを設置したり、屋上へのアクセスを制限するために専用出口を備え付けたりしています。
屋根の一部が屋上タイプの住宅は、デザイン面や使い勝手の良さで選ぶ人だけではありません。例えば、「屋根全体を屋上にしたら家の高さ制限に引っかかった」などのように、建築基準法に基づいた家の高さに調整するために設置するケースが多いです。
屋外階段からアクセスする屋上タイプ
建物の外側に設けられた階段で屋上に出入りするのが、屋外階段からアクセスする屋上タイプです。屋外階段は、建物の外観に一風変わった魅力を与えます。美しくデザインされた階段は、住宅全体の印象を個性的で洗練された雰囲気に変化します。また、階段を上る過程で、周囲の景色や環境、季節の移り変わりを楽しめる点も魅力です。
屋外階段を用いた屋上は、屋上スペースを有効活用できる、生活空間を経由せずに屋上までアクセスできるというメリットがあります。デッキやテラスを設置して屋外でのくつろぎを満喫したい人や、開放的な階段で屋上までアクセスしたいという人におすすめです。しかし、屋外階段は比較的周囲から人が侵入しやすいので、セキュリティの面においては若干デメリットがあるといえるでしょう。
ルーフバルコニーや屋上テラスタイプ
ルーフバルコニーや屋上テラスタイプとは、隣接した居室からアクセスできる屋上のことです。屋上を庭や広場のような感覚で活用できるように、隣接した居室には家族全員が集うリビングなどを設置することも多く見られます。
リビングに接している屋上テラスタイプは、屋上でバーベキューやアウトドアキッチンを楽しみたい家族にピッタリです。「洗濯物を屋上で干したい」という場合には、小雨を防げるルーフバルコニータイプが良いでしょう。また、「屋上を使ってストレッチやトレーニングをしたい」、「子どもを遊ばせるスペースとして屋上を活用したい」など、セカンドリビングのように使いたい人にもおすすめです。
屋上のメリット・デメリットは?
屋上を住宅に設置すると生活に開放感を与えてくれますが、比較的建築コストが高いなどのデメリットもあります。そのため、屋上のある家を購入する場合、事前にメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。
メリットについて
屋上のある家は、プライバシーを気にせず開放感を得られるというメリットがあります。周囲の建物や景色を見渡せるスペースを設置するので、自宅内で心身ともにリフレッシュすることができます。また、趣味の家庭菜園やガーデニングスペース、日光浴に最適なウッドデッキを設置することも可能です。
簡易なアウトドア活動ができる、洗濯物がからりと乾くなども、屋上のある家のメリットといえるでしょう。さらに、屋上にジャグジーを設置すると、自宅に居ながらリゾート気分を満喫することができます。屋上がある住宅は通常の住宅と建物の形状が異なるので、デザイン次第では高級感のある住宅を建設することも可能です。
デメリットについて
屋上のある家は、保守と管理が難しいというデメリットがあります。屋上は屋外の環境にさらされるため、定期的なメンテナンスと管理が必要です。加えて、日ごろから排水システムの点検や清掃、植物の手入れなどを行わなければいけません。保守と管理を徹底するためには、業者に依頼するなど費用と手間がかかる場合もあります。
気候の影響を受けやすいという点もデメリットといえるでしょう。屋上は風や日射し、雨や雪など、様々な気候条件に直接さらされます。これにより、屋上を利用できる期間に制限が生じる場合も多いです。
また、安全面の配慮が必要なこともデメリットとして挙げられます。特に、幼い子どもやペットがいる場合、別途手すりを設置する、安全性の高い柵を用いるなどの対処をしなくてはいけません。
その他には、追加のコストと手間がかかるという点もデメリットです。例えば、屋上の強度や耐力などの要件を満たす、または建物の構造を強化するなどです。また、屋上は定期的に塗装や排水、床面、柵などのメンテナンスを行わなければいけません。そのため、屋上スペースの設計や建設は、通常の住宅と同様に考えていてはいけないのです。
屋上で失敗しないためのポイントと対策
屋上のある住宅で失敗しないためには、あらかじめライフスタイルを考えておく、屋上の設置が得意なハウスメーカーに依頼をするなどが挙げられます。
ライフスタイルを考える
屋上のある家は、ライフスタイルを考えた上で選ぶことが大切です。具体的には、家族構成や家族の年齢層、健康状態などを考慮しておきましょう。屋上付きの住宅には、多くの場合階段が設置されます。そのため、家族に足が不自由な人がいる、または階段が苦手な高齢の人がいるという場合には、エレベーターを設置するなどの対策を取らなくてはいけません。また、幼い子どもがいる家庭などは、安全面に配慮した柵を利用するなど、ライフスタイルに適した工事を施行する必要があります。
また、予算やメンテナンス負担についても考慮しましょう。屋上付きの住宅は、追加のコストやメンテナンスの手間がかかる場合があります。そのため、予算や将来の維持費などを、自分や家族の経済的な負担がどの程度であるかをあらかじめ考えておきましょう。
屋上の設置が得意なハウスメーカーに依頼をする
屋上で失敗しないためには、屋上の設置が得意なハウスメーカーに依頼をすることも重要です。屋上は、排水設備などがきちんと施行されていなければ、雨が振るたびに水が溜まってしまいます。また、使用している素材によっては劣化が早まるために、ハウスメーカー選びが重要なポイントとなるのです。
屋上のある家はメリット・デメリットを知った上で建設しよう
屋上のある家は、非常に開放感があり魅力的です。子どもを気軽に日光浴させることができ、見晴らしがよい眺望は心身ともにリフレッシュします。一方、一般的な住宅よりもコストや維持費がかかる、管理に手間がかかる、安全面で不安があるなどの懸念材料も多いです。そのため、屋上のある家を建設する前には、あらかじめメリットとデメリットを知っておくようにしましょう。
監修 一級建築 代表取締役 原 康人氏
株式会社三建コンサル
個人・法人のお客様から土地や建物に関するご相談(空き家、相続、土地建物の売買など)を伺い、ご提案をしながら一緒に解決策を見出しています。建築設計はもちろん、土地の測量、農地転用や市町村の申請書類作成も行っており、「土地から建物の相談役」として皆様のお役に立てるよう努めています。