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バランス満点レシピでカラダにいいものを採り入れよう!
1.昔ながらの和食は栄養バランス満点
昔ながらの和食献立形式に、「一汁三菜」と言われているものがあります。
「一汁三菜」は、ごはんと汁ものに主菜と副菜2品を合わせる、栄養バランスの優れた食事の形です。具体的にはごはんと汁物に、肉や魚などがメインの主菜1品、野菜やきのこ、海藻などの副菜を2品合わせるのが基本となり、汁物は中の具材により主菜にも副菜にもなります。
一汁三菜の献立の基本は、体に必要な「エネルギーを生むもとになるもの」「体を作る材料となるもの」「体の調子を整えるもの」という3つの栄養素を、バランスよく摂り入れることがポイントです。ではどのような食材や栄養素を摂り入れていけばいいのでしょうか?
【ごはん】
まずは主食のごはんです。毎日の食事には欠かせないエネルギーの源で、炭水化物を補給する役割を果たすメニューです。和食の場合、基本的にはごはんが主食になりますが、白米以外にも玄米や雑穀米があり、食物繊維やミネラル・ビタミンが含まれているので栄養価も高いです。季節の食材を一緒に入れて、炊き込みご飯にするのも良いですね。
【汁もの】
そして汁ものは、昆布や鰹節で出汁をとり、味噌や塩などで味付けした具材の入った汁ものを用意します。味噌汁やすまし汁があてはまり、水分補給の役割も担っています。具だくさんにすることで食べ応えが増し、栄養面でも期待できます。
【主菜】
主菜は、肉や魚、卵、大豆などが入ったメインのおかずです。主には体を作るもとになる栄養素の、たんぱく質を含むメニューと考えると良いでしょう。焼く、煮る、蒸すなどの調理方法によりカロリーや塩分などが違ってくるため、主菜によって副菜の役割も変化します。
【副菜】
副菜は緑黄色野菜や淡色野菜、きのこ、芋、海藻などが入ったおかずが主流です。主に体の調子を整える栄養素であるビタミン、無機質、食物繊維を補給する役割を果たします。そして副副菜では、他のおかずで不足している栄養素を補います。小鉢で出てくるような付け合わせメニューで、和え物やおひたし、漬物などさっぱりとした料理が適しています。主菜に油を多く使う揚げ物や炒め物を持ってくる場合、副菜はさっぱりとした和え物やおひたしなどにして、全体のエネルギー量のバランスを調整すると良いでしょう。
一汁三菜の献立を考える時は、栄養素がバランス良くとれるかどうかをイメージして組み合わせるのがおすすめです。主菜の食材に含まれるたんぱく質は、血や筋肉など体をつくるもの。副菜であるビタミン、ミネラルなどは、体の調子を整えます。そのため、それぞれ違う役割をもった栄養素が含まれるよう組み合わせることが大切です。
特に、ビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含む野菜は不足しがちです。厚生労働省では1日の野菜摂取量として、350g以上を目標に定めており、1回分の食事に置き換えると、毎食約120gの野菜を摂取することが理想的です。献立を考えるときは、副菜や汁物を組み合わせてこの量が摂取できるように意識するといいでしょう。
季節の食材や調理方法、「まごわやさしい」の食材も意識してとり入れることで、より高い栄養素を期待できます。
四季の一汁三菜
【春の一汁三菜】 例
・桜海老と菜っ葉の炊き込みご飯
・たけのこと若芽のお吸いもの
・鰆の塩焼き 黒練りごま和え
・木の芽の豆腐田楽
・昆布の佃煮
【夏の一汁三菜】 例
・とうもろこしご飯
・鰯のつみれ汁
・海老と夏野菜の冷やし鉢
・かぼちゃといんげんの煮もの
・黒ごま豆腐
【秋の一汁三菜】 例
・さつまいもご飯
・きのこの味噌汁
・銀杏のかき揚げ
・だし巻き玉子
・里芋の煮っころがし
【冬の一汁三菜】
・黒大豆入り玄米ご飯
・けんちん汁
・牛肉と大根のすき煮
・きんぴらごぼう
・厚揚げのごま和え
2.おすすめの冬の主食、主菜、汁もの 黒大豆入り玄米ご飯
黒大豆入り玄米ご飯
【材料】(2合分)
黒大豆 | 大さじ2 |
玄米 | 1合 |
白米 | 1合 |
酒 | 大さじ2 |
塩 | 適量 |
いりごま | 適量 |
<作り方>
① 白米と玄米を混ぜて研ぎ、黒大豆と一緒に8時間以上浸水させる。
② ①を一度ザルあげして炊飯器に入れ、酒を入れ、通常の水より大さじ2ほど多めの水を入れて炊飯する。
③ 炊きあがったら茶碗に盛り、塩、いりごまをふる。
牛肉と大根のすき煮
【材料】(2人分)
牛肉(薄切り) | 150g |
大根 | 6cm |
糸こんにゃく | 80g |
長ねぎ | 1本 |
しいたけ | 2枚 |
<A>
だし汁 | 100ml |
酒 | 大さじ2 |
砂糖 | 大さじ2 |
みりん | 大さじ2 |
たまりしょうゆ | 大さじ3 |
ごま油 | 大さじ1 |
卵 | 2個 |
すりごま(白) | 大さじ2 |
<作り方>
① 大根は皮をむき、食べやすい大きさに切って下ゆでする。
② 糸こんにゃくは湯通しして食べやすい長さに切り、長ねぎは斜め切り、しいたけは石づきを取って飾り切りする。
③ 鍋に油を熱して牛肉を炒め色が変わったら、A、①、②、すりごまを入れて煮る。
④ 卵を溶いたものにつけていただく。
けんちん汁
【材料】(2人分)
にんじん | 1/3本 |
ごぼう | 1/3本 |
大根 | 3㎝ |
里芋 | 4個 |
しめじ | 30g |
こんにゃく | 大さじ1 |
ごま油 | 大さじ1 |
だし汁 | 400ml |
薄口しょうゆ | 大さじ1/2 |
すりごま(白) | 大さじ2 |
<作り方>
① にんじん、ごぼう、大根、里芋を食べやすい大きさに切る。
② こんにゃくは湯通しして短冊切りにし、しめじは石づきを取ってほぐす。
③ 鍋にごま油を熱し、①と②をしんなりするまで炒める。
④ ③にだし汁を入れ、具材が柔らかくなるまで煮る。
⑤ アクをとり、酒と薄口しょうゆを加え、すりごまをふりかける。
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監修 料理研究家 長田 絢氏
テレビ番組のコメンテーターや料理コーナーに多数出演。地方創生プロジェクトや家電、食品メーカーのレシピ開発、本や雑誌のフードコーディネーターなど多岐にわたって活躍。2時の母親で食育にも注力してInstagramやYouTubeでも情報を発信中。著書に「スーパーで買える「肉」を最高においしく食べる100の方法」(ダイヤモンド社刊)がある。