家づくり

新築住宅の保証ついて| 保証の種類や期間はどうなっているの?

家を建てる際には、価格や立地、デザインと同じくらい保証内容が重要です。もし住宅に欠陥や不備があった場合には、法律で定められている保証か、ハウスメーカー独自の保証で対応する必要があります。この記事では、新築住宅の保証の種類と期間を解説しています。

1.新築住宅の保証の種類について

新築保証は2種類あり、メーカー独自の保証と、法律で定められている保証があります。それぞれの保証内容について、以下に紹介します。

新築住宅のメーカー保証

メーカー独自の保証は、内装や建具、設備などが対象です。土台や柱などの住宅の基礎構造部分は含まれません。床や壁に欠陥や不備があった場合はハウスメーカーが、窓やドアなどの建具やキッチンに欠陥があった場合には提供しているメーカーの保証を利用して問題を解決します。
保証の内容と期間は、メーカーによって違いがあります。

新築住宅の法律(瑕疵担保責任)に基づいた保証

法律によってハウスメーカー側に義務続けられているのが、「瑕疵担保責任保証」です。「瑕疵(かし)」とは、住宅の欠陥を意味します。「瑕疵」は以下の3種類に分かれています。

・物理的瑕疵

・精神的瑕疵

・法的瑕疵

「物理的瑕疵」は、地盤のゆがみや床の傾き、耐火性や耐震性などの物理的な欠陥を指します。床の傾きは生活の中で気づけますが、耐火性や耐震性は一般人には欠陥の判断が難しいでしょう。地震や火事が起こった場合には命に関わる欠陥なので、建築を依頼したハウスメーカー以外の専門業者に診断を依頼する必要があります。

「精神的瑕疵」は、建物自体には問題がないものの、精神的な負担がある要素を指します。たとえば、土地が元墓地だったり、近くに反社会勢力の事務所があったりすると、住宅に問題がなくても生活する上で精神的な負担が加わるでしょう。精神的な負担になる要素を買い手側に伝えないまま住宅を売ると、売り手側であるハウスメーカーは買い手に対して補償しなければいけません。

「法的瑕疵」とは、建築基準法を守っていない状態を指します。建築基準法で、建ぺい率や容積率の上限、接道義務が定められています。建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積の割合です。容積率は敷地面積に対する建築物の延べ面積の割合を指します。幅員4メートル以上の道路に、敷地が2メートル以上接していなければならないのが接道義務です。
地域環境や防災の観点から、法律で基準を定めています。建築基準法を違反した物件は売却が難しくなり、増築も制限されます。

2.住宅の保証期間はいつまで適用されて、どのくらいの範囲なの?

住宅の保証期間と、補償の範囲を以下に解説します。

新築住宅の保証期間について

ハウスメーカーの保証期間はメーカーによってさまざまです。キッチンやトイレ、浴槽や湯沸かし器などの設備も、各製品のメーカーが保証期間を設けています。
床や建具などの保証期間を10年に設定しているハウスメーカーもあれば、20年にしているハウスメーカーもあります。ここで問題になるのが、10年後や20年後まで建築を担当したハウスメーカーが存続しているのかという点です。
いくら長期のメーカー保証や無料点検がオプションで付いていたとしても、ハウスメーカーが倒産すれば無意味になってしまいます。

そのため、ハウスメーカー自体が保証しているのか、ハウスメーカーが第三者の保証機関と契約しているのかを確認する必要があります。保証機関も、100%倒産しないわけではありません。しかし、ハウスメーカーは自社より安定した保証機関を契約先に選びます。
住宅の建設を依頼したハウスメーカーが倒産した場合にも、代わりに保証機関が対応してくれます。また、ハウスメーカーが保証機関と契約しているなら、費用が住宅の購入費にどれだけ影響しているのかも確認しておきましょう。

法律のよってハウスメーカーに義務付けられている「瑕疵担保責任保証」の保証期間は10です。
住宅を引き渡されてから10年間、補償は有効になっており、瑕疵があった場合は1年目でも9年目でも補償を請求できます。瑕疵のある物件を提供したハウスメーカーに責任があるので、買い手側には金銭的な負担は発生しません。ハウスメーカー独自の保証同様、10年後までハウスメーカーが残っているのかが心配になりますが、ハウスメーカーは「住宅瑕疵担保責任保険」に加入しているので問題ありません。

「住宅瑕疵担保責任保険」ではハウスメーカーが倒産した場合に、保険会社から買い手に保険金が振り込まれます。
「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」によって、ハウスメーカーは「一定金額以上の供託金」を準備できなければ、「住宅瑕疵担保責任保険」の加入が義務付けられています。供託金は、法務局などの供託所に預けるお金です。
ハウスメーカーが倒産したり、資金難に陥ったりした場合には、瑕疵の補償は供託金から支払われます。供託金が準備できないハウスメーカーは保険の加入が義務になりますが、耐震偽装などで落ち度のない買い手が被害に遭う事件がきっかけとなり、法改正で厳しくなりました。

「品確法」が施行された2000(平成12)年時点では、ハウスメーカーや不動産会社などに瑕疵担保責任を厳守させる仕組みが整っていませんでした。10年間の瑕疵担保責任保証はあったものの、売り手が倒産すると、買い手は瑕疵に対する補償を受けられなかったのです。2005(平成17)年に発覚し問題となった、マンション20棟とホテル1棟の耐震偽装事件を契機に法改正が進みます。この事件でマンションの住民は耐震補強の補償を受けられず、耐震補強の費用を負担するか、ローンが残ったまま退去することになりました。

2009(平成21)年に「住宅瑕疵担保責任履行法」が施行され、ハウスメーカーや不動産会社に対して供託金か保険の加入が義務付けられました。住宅瑕疵担保責任保険は、さまざまな団体から提供されており、内容や保険料に違いがあります。
保険の加入は売り手の義務ですが、その内容や料金は買い手も把握しておく必要があります。なぜなら、住宅の価格に10年分の住宅瑕疵担保責任保険の費用も含まれているからです。保険の内容が充実しているほど将来の安心が手に入りますが、金銭的な負担は大きくなるので、新築住宅を購入する際には住宅瑕疵担保責任保険の費用を確認しておきましょう。

新築住宅の保証範囲について

メーカー独自の保証範囲は、各社によって違いがあるので問い合わせる必要がありますが、瑕疵担保責任保証の範囲は決まっています。
保証の範囲は、土台や柱などの「構造耐力上主要な部分」と、屋根や外壁などの「雨水の侵入を防止する部分」の2つです。「構造耐力上主要な部分」は耐震性や床の傾き、「雨水の侵入を防止する部分」は外壁の耐久年数前のヒビや剥がれ、雨漏りが含まれています。これらの瑕疵があった場合には、5つの権利が認められています。

「追完請求」は、瑕疵がある未完の状態で住宅を引き渡したのは売り手側の責任であるため、瑕疵部分を直し完成させるための請求です。
「代金減額請求」は買い手が瑕疵の修理を望まない、または修理が不可能な場合に住宅の代金の減額を請求します。
「催告解除」「無催告解除」は、売り手が追完請求と代金減額請求に応じないケースで行使する権利です。契約不履行に対して、契約の解除と代金の返却を求めます。
5つめの権利は「損害賠償請求」です。

3.新築住宅の保証についてのまとめ

新築住宅の保証には、ハウスメーカーが独自に設けているものと、法律で定められているものがあります。
顧客満足度を上げ、自社の強みをアピールするため、ハウスメーカーの保証は内容がさまざまです。「住宅瑕疵担保責任履行法」は買い手を守るために、売り手に課す義務を強化し、保証期間を10年に定めています。ハウスメーカーが「住宅瑕疵担保責任保険」に加入している場合は、保険料が住宅の価格に含まれるので、保険の内容と費用を確認しておきましょう。
長い年月を共にする家は、建てた後の保証にも注意することが大切です。

監修 一級建築 代表取締役 原 康人氏

株式会社三建コンサル

個人・法人のお客様から土地や建物に関するご相談(空き家、相続、土地建物の売買など)を伺い、ご提案をしながら一緒に解決策を見出しています。建築設計はもちろん、土地の測量、農地転用や市町村の申請書類作成も行っており、「土地から建物の相談役」として皆様のお役に立てるよう努めています。

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