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リバースモーゲージ?リースバック?違いとメリット・デメリットを解説!
目次
1.リバースモーゲージとリースバックの違いはなに?
リバースモーゲージもリースバックも、自宅を活用して資金を調達するという点では大きな違いはありません。
高齢になって子供たちが独立し、自宅を引き継ぐ身内がいない場合などに利用されることが多く、どちらの方法でもそのまま自宅に住み続けることが可能です。
リバースモーゲージとは
リバースモーゲージは、自宅を担保にして金融機関等から融資を受ける不動産担保ローンに近いシステムです。
ただし、一般的な不動産担保ローンは融資を受けた後に利息と元本を毎月返済していきますが、リバースモーゲージでは返済不要、あるいは利息のみを返済していくことになります。そして、自宅は契約者が死亡したとき、または契約期間が満了したときに売却することで借入金を一括返済するか、引き続き所有したい人(本人、家族、相続人など)が融資額を一括返済して引き取ることができます。
リバースモーゲージの契約では、自宅の所有権は変わらず自分のままですが、金融機関の抵当権が設定されるため借入金を返済しない限り第三者に売却や譲渡をすることはできません。また、所有者は自分のままなので、固定資産税などの負担も継続します。
リバースモーゲージはあくまでも金融機関からの借り入れですので、その資金の使いみちも「金融機関が認めたもの」という制限があります。対象となる不動産の担保評価によって借り入れできる金額も変わるため、土地の価格が高くなる都心部の方は利用しやすいでしょう。
対象となる自宅に同居する家族は配偶者のみなどの制限があることも確認が必要です。
リースバックとは
リースバックは、不動産会社等に自宅を売却することでその代金を資金として受け取る、不動産売買に近いシステムです。
ただし、通常の不動産売買では売却した不動産からすぐに退去すべきところ、リースバックでは物件を買い取った不動産会社が家主となり、不動産会社に家賃を払い続けることで賃貸住宅として自宅に住み続けることができます。
不動産を買い取った会社がオーナーとなるので、一時的な退去や引っ越しなどの必要がなく、普段通りの生活を続けることができる点が大きな魅力と言えるでしょう。
リースバックの場合、自宅を売却するので、登記簿上の所有者も自分から不動産会社に移転します。賃貸住宅として家賃や火災保険の加入義務などは発生しますが、固定資産税などの費用負担はありません。
リースバックは売却代金を一括で受け取ることが可能で、その用途について制限はありません。住宅ローンが残っている物件でも、売却代金からローンの残債を一括返済することで完済することも可能です。リースバックでは立地条件や戸建て・マンションの別などの制限はほとんどなく、リバースモーゲージよりも対象は広くなります。
また、売却後の同居家族等の条件も一般の賃貸住宅と大きな違いがないため、配偶者以外の親族と暮らしている世帯でも利用することができます。
ただし、共有名義の自宅を売却する場合には、共有者全員の同意がなければリースバック契約ができないことに注意が必要です。
2.リバースモーゲージとリースバックの比較
リバースモーゲージとリースバックは、仕組みの違いによりメリットやデメリットも異なります。それぞれの特徴をしっかり理解した上でどの方法を選ぶのかを決めましょう。
以下に、リバースモーゲージとリースバック、それぞれのメリットとデメリットについて見ていきます。
相続の際に不動産が残ると平等に分けることができず、揉め事の火種となる可能性もありますが、売却して現金化することで円満な相続を実現できるというメリットもあります。
デメリットは、家賃の負担が発生すること、家賃の相場が通常より高くなる可能性があること、所有者が変わる可能性があることなどがあります。
税金や修繕積立金などの直接の負担はなくなりますが、賃貸住宅扱いになるので、自宅であっても家賃を毎月払わなければなりません。継続して支払っていけるかよく検討しましょう。
また、通常の任意売却よりも売却価格が安かったり、通常よりも高額な賃料設定を提示される可能性もありますので、周辺の相場を確認した上で契約内容を検討しましょう。
加えて、不動産会社が第三者に自宅を売却し、オーナーが変更になることもあるため、契約時と賃貸契約の内容が変わる可能性もあります。
リバースモーゲージのメリットとデメリット
リバースモーゲージのメリットは、借り入れの多彩さや月々の負担の少なさです。元々老後資金のために設定されたシステムということもあり、リバースモーゲージで借り入れた資金はいろいろな受け取り方ができます。
代表的なものは毎月一定額が振り込まれる年金型、必要に応じて極度額の範囲内で好きな額を好きな回数借り入れできる枠内自由引出型、一度の融資で全額借り入れる一括借入型などで、ライフスタイルや用途に応じて自分に合った利用が可能です。
また、リバースモーゲージは所有者を変えずに借り入れをして得た資金ですので、バリアフリー住宅にしたい、老朽化した設備を新調したいなど、より暮らしやすくするためにリフォームをすることもできます。
デメリットは、想定した契約期間より長生きしてしまった場合に売却か返済を迫られること、同居人、相続人などの理解が必要なこと、不動産の価値の変動によって査定金額が見直されるなどの思わぬリスクが生じることなどでしょう。
一般的に、契約可能な年齢は65歳以上となっており、居住可能な世帯は契約者の一人暮らし、もしくは夫婦二人暮らしのみです。また、リバースモーゲージでは不動産評価額が下がりにくい土地を対象として査定を行うため、原則戸建てのみが対象となります。
土地の評価額が住宅購入時から大幅に下落している場合には、築浅物件でも希望通りの融資が受けられないこともあるでしょう。そして、契約期間の満了、もしくは契約者が死亡した時点で自宅の売却か融資額の一括返済を迫られるため、同居の配偶者は突然住宅を失う可能性があります。
さらに、リバースモーゲージ中の住宅は定期的に評価額が見直されますが、不動産の価値が大幅に下がると一括返済を求められることもあり得ます。
リースバックのメリットとデメリット
リースバックのメリットは
◎まとまった現金を早く手に入れることが出来ることです。
自宅を一括売却して代金を受け取るため、リバースモーゲージのような用途の制限がないのは大きなメリットと言えるでしょう。また、年齢やリース開始後の居住世帯の制限などがほとんどない点も利用しやすいポイントです。対象となる不動産は一戸建てに限らずマンション、事務所、店舗、工場なども対象となります。
所有者が変わることで不動産に関する固定資産税や管理費、修繕積立金などの固定支出を直接負担することはなくなります。不動産会社の同意が得られれば、将来的にリースバックした物件を買い戻すことも可能です。
住宅ローンを返済中の方も売却資金で残債を一括返済することで利用することも可能になります。
相続の際に不動産が残ると平等に分けることができず、揉め事の火種となる可能性もありますが、売却して現金化することで円満な相続を実現できるというメリットもあります。
リースバックのデメリットは
× 家賃の負担が発生すること、家賃の相場が通常より高くなる可能性があること、所有者が変わる可能性があることなどがあります。
税金や修繕積立金などの直接の負担はなくなりますが、賃貸住宅扱いになるので、自宅であっても家賃を毎月払わなければなりません。継続して支払っていけるかよく検討しましょう。
また、通常の任意売却よりも売却価格が安かったり、通常よりも高額な賃料設定を提示される可能性もありますので、周辺の相場を確認した上で契約内容を検討しましょう。加えて、不動産会社が第三者に自宅を売却し、オーナーが変更になることもあるため、契約時と賃貸契約の内容が変わる可能性もあります。
3.リバースモーゲージとリースバックのまとめ
このように、リバースモーゲージとリースバックは自宅を活用して資金調達をするという点では共通していても、仕組みに大きな違いがあり、メリットやデメリットも異なります。
利用するときの年齢や必要な資金額などのライフプランを確認し、どのように暮らしていきたいのか、長生きしても持続可能かどうか、自宅を相続すべきか処分すべきかなどをよく検討して、自分の希望に合った内容の手続きを選ぶようにしましょう。
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監修 鈴木 大輔氏
家計のサポートセンター 代表ファイナンシャルプランナー
静岡県浜松市で活動する独立系ファイナンシャルプランナー。住宅取得を希望するファミリー層からの信頼が厚く、住宅展示場でのセミナー、相談員などの依頼も多くこなす。地元金融機関の職員教育にも携わり、FMハローのラジオ番組「カネラジ〜お金の話をするラジオ」パーソナリティとしても活躍中。