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インテリアの色ってどうやって決めたらよい?参考にしてほしいカラーコーディネートのポイント

1.インテリアスタイルを決めて統一感をつくる

統一したインテリアコーディネートを検討するには、インテリアの好みのイメージからスタイルを決めていくことがとても大切な作業になります。最初にインテリアスタイルを決めるとお家全体のバランスがととのい、色の選定も迷わずに決めていくことができます。インテリアスタイルの例をご紹介します。

インテリアスタイル【和モダン】

日本の伝統的な和のインテリアを現代にマッチさせた使いやすくモダンな雰囲気にまとめたスタイルです。全体的に低い位置に重心をつくると落ち着いたインテリアになります。

インテリアスタイル【シンプルモダン】

シンプルでスタイリッシュ。直線的な空間とインテリア雑貨を配置し、無機質な白、黒、グレーを基本としたカラーをベースに仕上げたスタイルです。生活感をかくしたスッキリとした雰囲気にするのがおすすめです。

インテリアスタイル【北欧風】

暖かみのある木製の家具、床に白やベージュなどを基本とした暖かく明るいインテリアスタイルです。ポイントにフィンランド、スウェーデン、デンマークなどの北欧で生まれたインテリア商品やカーテン、クッションなどのファブリックを使うとより一層、北欧の雰囲気に近づいたインテリアになります。

インテリアスタイル【カフェ風】

カジュアルな素材をナチュラルに配置した、おしゃれなカフェに来た雰囲気のスタイルです。キッチンには対面式でコーヒーを飲めるようなカウンターや、見せる収納をつくるとより素敵なインテリアに仕上がります。

インテリアスタイル【カリフォルニア(西海岸)風】

海の風を感じるアメリカ西海岸の開放的な雰囲気を取り入れ、サーフィンやスケートボードなどボード系のスポーツの雑貨やマリンテイストの色や質感を用いたスタイルです。

インテリアスタイル【アジアン】

バリ島などのアジアのリゾート地をイメージしたスタイルです。バンブーやラタンを使った雑貨や赤みのあるチークなどの木材をつかい、観葉植物を多く置くとリゾート感をつくることができます。

インテリアスタイル【ブルックリン風】

アメリカニューヨークのブルックリン地区を発祥としたインテリアで、古い倉庫や工場をリフォームしたようなラフで粗っぽさがのこったデザインを取り入れた「かっこいい」と思わせるようなスタイルです。

2.インテリアの色づかい

インテリアに色をいれていくための黄金比を知って全体のテイストに合わせた色を決めていくとセンスのよい空間をつくることができます。

センス良く見せる色の配分

インテリアの色の配分はベースカラー、メインカラー、アクセントカラーに分かれます。この比率を「70%:25%:5%」に配分します。この比率を意識して組み合わせていくと、飽きのこないまとまったインテリアをつくることができます。

部屋の中の色の割合

具体的に部屋の中の70%:25%:5%はどこにあたるのかというと、下のような部屋の位置と割合になります。

ベースカラー(70%) 床・壁・天井
メインカラー(25%) テーブル・ソファー・カーテンなど
アクセントカラー(5%) 照明器具・クッション・雑貨類など

基本的にはこの割合をベースに考えていきますが、上の割合につかうカーテンや雑貨などのカラー配分はイメージによって違う割合に変更していくこともあります。いくつかの色の割合をインテリア例の写真とともにご紹介します。

Aの写真のインテリア例はベースカラーの70%をホワイト系、メインカラーの25%をブルー、アクセントカラーの5%をグレーに配置したパターンです。メインカラーとして配置するカーテンは窓の大きさによってイメージが変わってきます。
メインカラーとして色をいれていくことも一つですが、例えば、Bの写真のようにカーテンをベースカラーに近づけた場合は、より部屋がひろく見える効果もあります。

Bの写真はメインカラーを壁面の赤茶、家具とクッションの木質系の色、アクセントカラーを観葉植物のグリーンにしています。また、窓が小さいときには、カーテンをアクセントカラーとして配置してもまとまります。

C
の写真の配色はベースカラーをホワイト、メインカラーをグレー、アクセントカラーをブルーにしています。カーテンの色をどの割合にいれるかはインテリアのポイントになります。

 

3.効果的にみせる色の組み合わせ

こんな色の丸を見たことはありますか?
この丸を「色相環」(しきそうかん)と言います。色を組み合わせるときにこの「色相環」をつかうととても分かりやすく、簡単にすてきな組み合わせを発見することができます。

見せたいものを引き立てる反対色

このソファを引き立てたい、この絵を中心にしたいなどインテリアのメインとして使いたいものが決まっているときに反対色の配色をするとそのものを引き立てることができます。引き立てたい家具や絵の横に反対色の雑貨を置くだけでも効果的です。
この反対色をえらぶときに「色相環」を使って考えます。引き立てるものの色を選びます。その色の反対に配置された色が反対色になります。
「色相環」を使うと、とても分かりやすく迷わずにえらぶことができます。

まとまりをつくる類似色

反対色を使うのは勇気がいるから、おしゃれに、簡単にまとめたいという時には、類似色で配色します。この時も「色相環」を使って考えてみます。メインカラーにした色がブルーのとき、そのとなりにある色が類似色です。となり合う色は、似た色同士で失敗の少ない配色の方法です。
色の配分の量に変化をつけてみるとよりおしゃれにまとめることができます。

わかりやすい同系色

反対色も類似色も、ハードルが高いなと思われた方。まずは同系色でまとめてみてはいかがしょうか?
同系色のまとめ方は、同じ色で明るさや素材を変えていきます。よりおしゃれに見せるには、素材を変えると効果的です。
たとえば、布、木、陶器など同じ色目でも質感が違うと変化がでて雰囲気が良くなります。色が1色で決まっているので、小物をえらぶときにも、わかりやすく失敗しにくい配色です。
ナチュラル系のインテリアには同系色でまとめると、素敵に仕上がります。

4.インテリアにおけるカラーコーディネートのポイントのまとめ

インテリアの色を選ぶとき、一番大切なことは、全体のインテリアイメージ(テイスト)を決める事です。どんなイメージに仕上げるかによってベースカラーの答えを出しやすくなります。それが決まればあとは簡単です。赤や青などの有彩色(ゆうさいしょく)を入れることがむずかしいなと思ったら、ベースカラーやメインカラーは無彩色(むさいしょく)といわれる白、黒、グレーを取り入れ、赤や青などの色はクッションや雑貨など簡単にかえることができるものをアクセントカラーとして配色してみてください。また、色がある有彩色の中では茶色、紺色は赤系の色も青系の色も合わせやすく万能カラーでまとめやすい色と言えます。ぜひインテリアに色を入れて生活を楽しんでください。

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監修 インテリアコーディネーター・建築士 鈴木 珠未氏

福川建築 設計インテリア部門 Kors事業部

住宅会社でのインテリアコーディネート業務を経験後、静岡県浜松市を拠点とし、くらしのあかり(照明)を中心にしたインテリアコーディネートの提案を行う事務所を立ち上げる。長年住宅メーカー内でインテリアコーディネート立案をしていた経験を生かし地元の住宅会社や不動産会社をメインにひと部屋からプランの策定支援を行っている。また、大工部門を併せ持つ事業形態を生かし大工工事の請負や現場で必要な図面の作成、インテリア提案などのプロデュースも行っている。


福川建築[Kors事業部] https://l-kors.jp

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