家づくり

【比較】マンションか戸建てか、あなたに向いているのは?!

「マンションか戸建てか」マイホームを検討した時、真っ先に頭を悩ませるのがこのテーマではないでしょうか。この記事では、マンションと戸建ての違いにスポットを当て、それぞれの特徴について解説します。

1.マンションと戸建ての違いから考えましょう

「マンションか戸建てのどちらを選ぶか」という問題に直面したときに、最初に確認したいのがマンションと戸建ての「違い」です。なぜなら、この違いを考えずに値段や建物の格好良さなど外見上の要素だけで購入を決めてしまうと「想像していた生活と違う」と後悔をしてしまう可能性があるからです。両者とも「居住スペース」という点では共通していますが、実際に生活を始めてみるとまったく勝手が異なります。失敗のない住宅選びをするために、この記事を参考にして、自分に合うのはマンションか戸建てなのかをセルフ診断してみましょう。

マンションと戸建ての違いは、大きく分けて「生活面」「費用面」「残存する資産価値」の3つで説明できます。それぞれ特徴が大きく異なり、この違いを知っておくことが後悔しない住宅選びの鍵になります。ではここから、「生活面」「費用面」「残存する資産価値」という3つの側面から、それぞれの違いについて解説していきます。

2.生活面での違い

マンションと戸建ての最も大きな違いは、生活面です。実際に住む人の生活スタイルや目的によってメリットやデメリットは異なるので、ご自身や家族に合ったものを選ぶようにしましょう。

立地

 マンションでは利便性が重視される傾向があり、駅近に物件が建てられるケースが多くあります。電車で通勤や通学をする家族がいる場合には、駅から近いマンションに住むことで生活が便利になるでしょう。一方で、一戸建てを駅近で実現するのは土地の関係上難しいこともあり、「最寄りはバス停」ということもよく起こります。場所によっては自動車がないと不便なところも存在します。

居住スペースの広さ

物件によりますが、マンションより戸建てのほうが居住スペースを広く取れる傾向があります。なぜならマンションは基本的にワンフロアなのに対し、戸建ては2フロア以上あることが多いからです。同居家族の人数によってはマンションでは狭く感じてしまうこともあるので、慎重に検討しましょう。

活導線

マンションは狭めの空間に効率よく各部屋を配置しているため、生活動線が短い特徴があります。たとえば洗濯物を干すときも、洗濯機からベランダまでが近くてスムーズ。体への負担も少なく抑えることができます。反対に戸建てはマンションに比べると広めで2フロア以上に分かれることが多いため、生活動線が長くなりがち。もし洗濯機が1階にあって物干しが2階にある場合には、1階から重い洗濯物を運ばなければならず負担に感じるかもしれません。

近隣との接触頻度

マンションと戸建てとでは、近隣住民との接触頻度が異なります。
マンションでは住民同士がすれ違いざまに挨拶をしたり管理組合で顔を合わせたりすることはあっても、密接に関わり合う機会は少なめと言えます。このため、あまり人付き合いが得意ではない人には、マンションの方が向いているかもしれません。
反対に戸建ての場合は、近隣とのつながりが濃い傾向があります。その大きな要因のひとつが町内会の存在です。町内会では回覧板を届けたり、清掃や会合に参加したりと、住民同士が顔を合わせる機会が多め。
町内会に入るマンションもありますが、積極的に参加するのは(入居住民が輪番制で担当するなどの)当番年だけといったケースも少なくありません。近隣の方と交流が多いことは、防災面でも大きなメリットがあり、何かあったときでもお互いに助け合える関係性を築くのに役立ちます。

日当たりや風通し

日当たりや風通しにも大きな違いがあります。
物件によりますが、マンションでは角部屋ではない中住戸が多くなりがちで、多面的に窓を設置することが難しいため、日当たりや風通しに制限が出る場合も。時間帯によって日当たりにバラつきがあり、「リビングは明るいけど寝室が暗い」などの現象も起きがちです。
一方で、戸建ては基本的に四方に窓を設けられるため、近隣住宅と密接しているなどの制限がない限り、日当たりや風通しを確保しやすくなります。

セキュリティ面

マンションは一般的にセキュリティの高い物件が多いです。敷地内や建物内の随所に防犯カメラが設置され、エントランスはオートロック、24時間監視システムに加えて、管理人という「人的セキュリティ」も配置。エレベーター内の様子がわかるTVモニターであったり、各居室の玄関扉には防犯性の高い鍵が採用されるなど・・・セキュリティ対策をしっかり取っている物件が数多くあります。
一方の戸建てには、基本的にこのようなセキュリティはありません。
もし戸建てでセキュリティを強化したいのであれば、個人単位で、防犯カメラを設置したりホームセキュリティを契約するなどの対策が必要になります。

駐車場

戸建てでは車を12台停めるスペースがある物件が多く、玄関を出てすぐ車に乗ることができる便利さがあります。
車からたくさんの荷物を積み下ろしするときなども楽でしょう。
駐車場から玄関までの距離が近いと、雨の日には特に助かります。
一方でマンションの場合は、敷地内の機械式駐車場や平面駐車場まで行かなければなりません。
なお、分譲マンションであっても、駐車場代は月々の管理費などと共に支払うランニングコストになる場合がほとんど。
物件によっては駐車場がなく、別途で月極駐車場を借りなければならないケースもあります。

騒音

マンションでどうしても避けることができないのが騒音問題です。
近年は防音性能が高いマンションが数多くありますが、それでも「まったくの無音」は期待しない方がいいかもしれません。
特に小さなお子さんがいる子育て世帯の場合、上下左右の住戸に泣き声や走り回る音などが響く可能性があるので、防音対策や近隣への配慮が必要になるでしょう。
戸建て住宅であれば近隣とある程度の距離が保たれているので、騒音に対してそこまで敏感になる必要はなさそうです。

ゴミ出し

マンションの中には、敷地内にゴミステーションが設置されていて24時間好きなときにゴミ出しができる物件や、各住戸の玄関前にゴミを出しておけば、係の人が収集してくれるサービスを行っている物件もあります。
一方で戸建ての場合は、決められた日時の決められた場所にゴミを出す必要があり、場所によってはゴミ捨て場まで離れていることもあって負担に感じるかもしれません。

清掃や修繕

マンションの敷地内における清掃や設備の修繕などは、基本的に委託先の管理会社がほぼすべて行ってくれるので、住民の作業負担は自分の住戸内だけで済みます。しかし一戸建ての場合は、庭の清掃から家の補修まですべて自分の責任で行わなければなりません。放置すれば住宅の劣化が早く進んでしまうことにもなるので注意が必要です。

3.残存する資産価値の違い

マンションか戸建てかを検討する際に、よく「売却するときの残存資産価値」が議論として上がります。
要するに「もし住み続けたあとで売却するなら、高く売れるのはどちらなのか?」ということです。これについては物件の条件や築年数によって大きく異なるので、どちらが得なのかはケースバイケースです。しかし、資産価値の下がり方については大きな違いがあるということだけは覚えておくといいでしょう。

一般的にマンションは、築年数が古くなるにつれて資産価値が徐々に目減りしていくものですが、比較的長い期間に渡って資産価値を持ち続ける傾向があります。
物件の立地など条件によっては、築年数が経過しているにもかかわらず購入時よりも高い値段で売却できたという事例も。
一方で戸建てについては、建物の資産価値は築年数とともに目減りするものの、土地の価値については築年数に左右されることがありません(地価の変動によって増減する可能性はあります)。
建物の価値がゼロになってしまった後でも、土地だけは資産価値を持ち続けるという特徴があります。

4.「マンションか戸建てか」まとめ

マンションにするか戸建てにするかは、一生に何度とない重要な決断です。選び方を間違えてしまうと大きな後悔につながりかねないので、慎重に行うようにしましょう。
マンションと戸建てを選ぶ際のポイントは、それぞれの特徴について違いを知り、それらを自分たちのライフスタイルや将来像に当てはめてみることです。そうすることで自ずと理想的な選択に近づけることができるのではないでしょうか。

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監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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