家づくり

バルコニーやベランダは造る?造らない?|ベランダを楽しもう!

ベランダやバルコニーの楽しみ方がわかれば、住まい購入の際に設置するか否かの検討がしやすくなります。ベランダについて多くの人が知りたいことをまとめました。

1.ベランダの基本を学ぼう

屋外の開放感と、暮らしの利便性を兼ね備えたベランダは、住まい購入において魅力的な設備の一つ。とはいえ、バルコニーとの違いや必要性が分からずに設置をためらう人もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、ベランダの基本について確認していきましょう。

ベランダとバルコニーは違うの?

ベランダとバルコニーはどちらも部屋の外に張り出している部分で、自宅に隣接していても専有部分ではありません。
一戸建てならばともかく、マンションやアパートの場合、ベランダやバルコニーは共用部分の扱いになりますので管理会社の規約に従って利用しなければなりません。
では、何が違うのかというと、屋根の有無です。ベランダは多少雨風をしのぐことができる屋根がついていますが、バルコニーは屋根がついていないので用途が限られます。
ただ、集合住宅の場合はバルコニーの床部分が屋根代わりになっていることがあるため、ベランダとの区別がつきにくくなっています。

ベランダって必要?

ベランダの必要性は、立地や周辺環境、一戸建てもしくは集合住宅の別などによって異なります。例えば、風の通りが悪い地域は窓を開けて換気をしたいところですが、住宅が密集している中で1階の窓を開けるのは防犯面でもプライバシーの面でも躊躇しがちです。そんな時でもベランダがあれば気軽に窓を開けることができそうです。
また、物干し場や庭がない住宅では、ベランダやバルコニーがあると様々な用途で活用できます。ベランダが設けられていると外観に立体感が生まれ、見た目における満足感が高まる方もいらっしゃるでしょう。
一方で、2階から侵入しやすくなるという防犯面でのリスクや、追加工事をする分コストがかかる金銭的な問題、掃除の必要性が生じるなどの課題もあるため、どのように活用するのかを踏まえながらメリットやデメリットに考慮して決めることをおすすめします。

2.ベランダを楽しもう!

では、ベランダやバルコニーにはどのような使い道や楽しみ方があるのでしょうか。ここからは、ちょっと意外な楽しみ方や活用法などを見ていきます。

ベランダでキャンプ♪

ベランダでキャンプをする、ベランピングが人気です。ポップアップタイプのテントならば狭いベランダでも簡単に設置できますし、サンシェードなどで目隠しをすれば、近所からも見えにくくなります。
窓を開けて室内のスペースも活用すれば、屋外での食事や読書、昼寝など様々な用途に活用でき、自宅にこもりがちな日々のストレス解消にも役立ちます。
芝シートや屋外用のチェアセットなどを使うと、より臨場感のあるキャンプを楽しめるのではないでしょうか。

マンションでおうちキャンプをする場合は、特に騒音やニオイに気を付ける必要があります。バーベキューに挑戦するときは火災対策も十分行いましょう。

ベランダをウッドデッキでおしゃれに!

ベランダの床がコンクリートで味気ないと感じる場合は、簡単なDIYでウッドデッキ風に変えてみてはいかがでしょうか。
キャンプをおしゃれに楽しめそうですし、屋根があるので天候の影響を受けにくく、セカンドリビングとして使うこともできます。屋外の読書やティータイムなど、日々の生活にちょっとした彩りを添えられるでしょう。

マンションの場合は自由に施工することができませんが、パネル状のデッキ材やウッドデッキ風のタイルを敷き詰めるだけで印象ががらりと変わりますので、無機質なベランダを華やかにしたいときなどにも便利です。
ただし、木材なので定期的なメンテナンスや排水問題の対応など、通常のベランダより気を付けるべき点もあります。使用する素材や配置する場所などにも留意してください。

 

話題のベランダガーデニングを楽しもう!

「ガーデニングに挑戦したいけれど、お庭は管理が大変そう…」と思っている人や、集合住宅に暮らしていて緑に囲まれる生活がなかなか難しいという人などにおすすめなのがベランダガーデニングです。
気候によって屋内や屋外に移動させる必要のある植物でも管理がしやすいですし、部屋からの景観もレイアウト次第で見ごたえがあります。
おしゃれに仕上げたいなら、好みの床材を敷いたり壁掛けプランターを設置したりするのも良いでしょう。野菜やハーブを育てて生活に取り入れるのもおすすめです。

注意点としては、集合住宅の場合は避難経路をふさがないようにすることや、万が一を想定してベランダの外側や手すりの上など落ちる危険性のある場所に鉢を置かないこと、土や枯葉などが排水溝を詰まらせないように注意することなどが挙げられます。ニオイが強い植物やツルがあちこちに伸びやすい植物、虫が寄ってくることの多い植物なども避けた方が良いでしょう。

 

ベランダの収納方法は?

ベランダの収納はともすれば殺風景になりがちですが、収納グッズを活用すれば利便性アップにつながるだけでなく、見た目もおしゃれで快適に過ごせます。例えば、めったに使わない荷物を収納して目隠しにフェンスを置けば、荷物の置き場とガーデニングを両立させることが可能です。
また、移動させやすいキャスター付きのラックに収納しておくとすぐに準備や片付けができますし、ベランダで過ごすことが多い場合はベンチ型のボックスを設置すればインテリアにも収納グッズにもなります。

 

3.ベランダについてのQ&A

色々な用途に使うことができるベランダですが、掃除やメンテナンスはどのようにすれば良いのか、また、隣の住宅と距離が近いため人目が気になるなど、実際に住み始めてから悩むケースも少なくありません。
そこで、ベランダに関してよく見られる疑問の解消法について見ていきます。

ベランダのメンテナンスはどうしたらいい?

ベランダは直射日光や風雨にさらされているので劣化が早く、放置しているとベランダが落下するような大事故を引き起こす可能性があります。
また、ベランダのメンテナンスは基本的に業者に依頼しますので、ある程度年数が経過したら準備を進めておきましょう。メンテナンスの目安としては、ひび割れや塗装の剥がれ、水たまりが見つかったら早めに連絡することをおすすめします。
ただし、水たまりは排水口の詰まりが原因になっていることも多いため、まずはご自分で確認してみてください。

調査やメンテナンスの依頼先は、ハウスメーカーや工務店もしくはリフォーム業者などです。
塗装の剥がれ程度ならば外壁塗装の業者でも問題ありませんが、築年数が経過している場合には建築業者に相談したほうが良さそうです。家の建築を依頼した業者と連絡がつく場合はそちらに相談すると話が早いでしょう。
メンテナンスは数十万単位の支出になりますので、月々の修繕積立金が発生しない一戸建てでも、いざというときの費用を計画的に積み立てておくことをおすすめします。

ベランダの掃除の仕方を教えて!

ベランダは汚れやすく、こまめな掃除が必要です。ただし、排水口の有無によって掃除の仕方が異なりますので事前に確認しておきましょう。排水口がついているベランダの方が簡単ですが、集合住宅の場合は、排水口があっても掃除で出た汚水が隣の住民のベランダまで流れていかないように注意が必要です。

排水口がある場合は、まずは詰まっていないかを確認してください。ベランダの排水口はゴミや落ち葉、埃などで詰まりやすくなっており、気づかずに水を流すと周辺が水浸しになってしまいます。
詰まりの原因は長い棒や箸などで取り除きますが、いきなり水を流して掃除をするとすぐに詰まってしまうため、まずはほうきや塵取りで大まかな床の汚れを取りましょう。次に壁をスポンジなどで磨き、水で洗い流します。掃除の流れは、高いところから始めて最後に床を磨き、水を流すという手順です。
床に固まっている汚れはたわしやデッキブラシなどでこすってから大きな汚れを取り除きます。排水口詰まりの心配がなくなったら、ブラシなどで床を磨き、水を流して乾かしましょう。
水が流せない場合は、壁をスポンジで磨いた後に濡らして硬く絞った雑巾でふき取ります。床は大きなごみを取り除いた後に、細かく切って水を含ませた新聞紙をランダムに置きます。これをほうきで掃くと、新聞紙が細かい汚れを吸着させるので水を流さずにキレイにすることが可能です。

ご近所さんの目線が気になる・・・ベランダの目隠し

ベランダは開放感のあるスペースですが、住宅が密集している地域では同じ階層のご近所から見えやすくなるので目隠しの設置が望ましいです。ベランダの目隠しは直射日光を避けることができる上、家の中の様子を外部から見えにくくするので防犯の目的でも必要です。簡単に取り付けられる目隠しグッズがありますし、見栄えの良い目隠しもありますので自宅に合った方法で対策してみてください。

季節に応じて簡単に取り付け・取り外しができるのはシェードや簾(すだれ)です。紐などで固定するだけなので女性でも設置が容易ですし、広範囲の目隠しができてコストも抑えられます。耐水性の素材でできているものが多いのでこまめなメンテナンスも必要ありません。ただし、軽量で空気抵抗が大きく、強風で飛ばされる可能性があるため、台風の前などは外しておいた方が良いでしょう。

一方、固定して取り付けるタイプはフェンスやウッドデッキなどが挙げられます。簡単に取り外すことはできませんが、頑丈で長持ちすること、見た目がおしゃれなことからも人気があります。

ベランダでの収納方法は?

ベランダは趣味のために使うだけでなく、収納場所としても活用できます。ただし、屋外であることや、外に持ち出すときに室内を通る必要があること、周囲から見えやすいことなどを意識した収納方法を考えなければなりません。
屋根があるとはいえ直射日光や風雪にさらされるスペースですので、故障しやすい家電製品やカビが発生しやすい衣類などの保管には向いていないでしょう。逆に、室内での保管が難しい冬用タイヤやキャンプ道具、園芸や掃除用品などを置くのに適しています。

収納する際は動線や避難経路、そして、子どもの安全性に十分配慮しましょう。
特に、子どもが収納したものによじ上って手すりから落下してしまうなど危険なことがあってはいけません。雑多に並べるのではなく、高さを利用したり適切な収納道具を使ったりすることで、安全性と自由に使えるスペースの確保を目指しましょう。

4.自分らしい活用方法を探しましょう

ベランダやバルコニーは物置や洗濯物干しの用途以外にもいろいろな使い道がありますし、メンテナンスや掃除の方法を知っていればそれほど管理で困ることもありません。
ご紹介した以外の活用方法も探せばたくさん見つかりますので、ぜひ自分らしい楽しみ方を探してみてください。あらかじめ使い道を決めておけば、設置するときの広さや設備も指示を出しやすいですよ。

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監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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