暮らし

“買い物動線”で暮らしが変わる!食品・日用品の収納設計アイデア

週末のまとめ買いや仕事帰りの買い物。
玄関に置きっぱなしになった重たい買い物袋を見て、「あとで片付けよう」と思った経験はありませんか?
この面倒な片付けは、家の間取りや動線、収納のしやすさによって変えることができます。
食品や日用品は生活に欠かせないものだからこそ、買い物は日常的な行動です。
「買い物→帰宅→収納する」といった一連の流れがスムーズかどうかで、日々の家事負担やストレスは大きく変わります。
今回は、子育て世帯から相談が多い「買い物後をラクにする収納設計」について、ポイントをご紹介します。

「買い物後」をラクにする2つのポイント

買い物動線を考えるうえで、押さえておきたいのは2つのポイントです。

1.帰宅してから収納するまでの動線が短く、億劫に感じないこと。

2.一時的に物が増えても対応できる、余裕のある収納があること。

この2つが揃っていないと、どんなにおしゃれなキッチンや大容量収納があっても、買い物後の負担が消えない家になってしまいます。2つのポイントをそれぞれ解説します。

帰宅~収納までの動線

買い物袋を持った状態で、以下のような動作は負担になります。

・何度も曲がる

・ドアを開け閉めする

・人とすれ違う

こうした動作が重なる動線は、買い物後の収納が一気に面倒になってしまいます。玄関から収納スペース、そしてキッチンまでが一本の流れであることが理想です。買い物動線が整理されているだけで、収納までの負担は大きく軽減されます。

余裕のある収納ができるパントリー

買い物後の収納で重要なのが、収納スペースの「余裕」です。ジャストサイズの収納でも無駄はありませんが、実際の生活では「まとめ買い」をする機会があります。

・特売でまとめ買いした食品

・防災用の備蓄

・季節限定の商品

など、一時的に物が増えることも少なくありません。日常では「8割収納」を意識したパントリーであれば、ストレスの少ない余裕のある暮らしにつながります。

帰宅~収納までの「買い物動線」を考える

買い物動線は、間取り図だけを見ていても気づきにくいポイントです。重要なのは、「実際の生活シーンを想像すること」。家で暮らすのは自分一人ではないため、家族の行動パターンまでイメージしなくてはいけません。帰宅~収納までの「買い物動線」のポイントについて解説します。

玄関~収納までの距離

買い物動線で最も大切なのは、玄関から収納までの距離です。玄関に近い場所に収納があれば、重たい荷物を長く持たなくていいため、一時的に荷物を放置してしまうことも減るでしょう。玄関から直接収納場所が見えないように、シューズクロークや土間から収納へつながる動線も人気です。

収納までの動線で滞留しない

玄関から収納までの動線がスムーズでないと滞留しやすくなってしまいます。特に狭い廊下やドアの開閉は、重い荷物を持った状態では大きな負担です。また、家族の生活動線が重なることでも詰まりが生じてしまいます。収納動線は、他の生活動線と極力交差しない設計が理想です。キッチン付近では動線が集中しやすい傾向があり、ストレスを感じやすい場所になるため注意しましょう。

廊下やキッチンスペースにゆとりを

動線が正しくても、通路幅が狭いと使いにくさは解消されません。買い物袋を両手に持った状態、ベビーカーや子どもを連れている状態など、「余裕のないシーン」を想定した幅を確保することが大切です。特にパントリー前やキッチン周辺は、立ち止まれるスペースを意識すると、使い勝手が大幅アップします。

失敗しない「パントリー」を考える

「とりあえず付けておけば便利」と思われがちなパントリーですが、設計次第では使いにくい収納になってしまうことも。パントリーでありがちな失敗を避けるためのポイントを解説します。 

パントリーのサイズ感

「大は小を兼ねる」とも言いますが、パントリーは大きければいい、というわけではありません。重要なのは、家族構成・買い物頻度・備蓄量に合ったサイズです。週1回まとめ買いをする家庭と、毎日少量ずつ買う家庭では、必要な容量は異なります。自身のライフスタイルを整理したうえで、どれくらいのサイズ感が使いやすいのか、奥行き・幅・棚の枚数までイメージすることが大切です。

物の配置がわかりやすい

奥行きが深すぎるパントリーは、「何がどこにあるかわからない」状態になりがち。奥に隠れてしまい、「賞味期限切れの物が出てきた!」というケースもよくある失敗例の代表です。棚の奥行きは収納する物に合わせ、ラベルやゾーニングを活かして一目で把握できる配置を意識しましょう。使用頻度の高い物ほど、取り出しやすい高さに配置するのが基本です。

湿気がこもらない

食品を保管するパントリーでは、湿気対策は欠かせません。湿度の高い夏は、湿気に加えて熱がこもらない工夫も必要です。換気扇や小窓の設置、壁材や床材の選定によって、カビやニオイの発生を防ぐことができます。長く快適に使うために、パントリーの環境にも注意しましょう。

コンセントの設置

パントリーは食品や日用品の収納場所、というだけではありません。最近はセカンド冷凍庫やウォーターサーバーの利用も増えています。キッチンスペースに置けない場合は、パントリー内に設置できるようコンセントを用意しておくと暮らしの幅が広がります。

食品・日用品の収納設計アイデア

これまでの買い物導線やパントリーのポイントを活かして、実際の住まいづくりで採用されることの多い収納設計アイデアをご紹介します。自分のライフスタイルに合いそうなアイデアは取り入れていきましょう。

玄関~キッチンに通り抜けできるパントリー

玄関から入り、そのままパントリーを通ってキッチンへ。例えば、「玄関~クローク~パントリー~キッチンを最短距離で集約」。「玄関~土間~パントリーで、帰宅後そのまま荷物を移動」。このような通り抜けできる買い物動線は、買い物後のストレスを大幅に軽減します。荷物を持ったままリビングを通らずに済むため、来客時でも気を遣わずに収納できる点も大きなメリットです。

配置や管理がしやすい余裕のあるパントリー

収納量に余裕があると、「きれいに収める」よりも「使いやすく置く」ことが優先できます。結果として在庫管理がしやすくなり、買い忘れや無駄な二重購入の防止にもつながります。余裕のある住宅環境は、家事の「時短」と「心のゆとり」を生み出します。

他の動線と重ならない収納スペース

洗濯動線、来客動線、家族の生活動線など、家の中にはさまざまな動線があります。それぞれが重なりすぎないように設計することで、家の中の渋滞を防ぐことが可能です。収納スペースがスムーズに使えると、ストレスや体力的な負担も抑えられます。収納は「どこに配置するか」だけでなく、「誰が・いつ・どう使うか」まで考えることが、後悔しない家づくりのポイントになります。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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