家づくり

老後を見据えた家づくり|快適なシニアライフを支える設計のポイントを解説!

今、暮らしている家は老後まで快適に住めそうですか?
家を建てたときは何の問題がなくても、老後に不便を感じることはあります。
若いうちは気にすることがなかった段差など、シニアライフを快適に送るために家の中の安全設計を考えなくてはいけません。
長く住み続けると共に、子どもも成長して家族のライフスタイルも変化していきます。
今は必要なくても、将来的な生活も見据えて設計できれば、長期間快適に住み続けられるでしょう。
今回は、老後を見据えた家づくりで気を付けたいポイント、平屋と2階建てのメリット・デメリットについてお伝えします。

老後の暮らしを見据えた8つの設計ポイント

シニアライフをイメージするといっても、実際にそのときの年齢になってみないと実感しにくいものです。人間の体は年齢を重ねていくと体の衰えが出てきます。そのときにリフォームするのは大変なので、新築の段階で老後の暮らしを見据えた長期的な住まい設計ができていると安心です。老後を快適に過ごす8つの設計ポイントを解説します。

➀段差をなくす

体が衰えてくると、足元から変化が表れます。普通に歩いていて、段差がないのにつまづいてしまった経験はありませんか?このようなつまづきから始まり、段差を上がることが生活の負担になってくることが多いです。近年は、スキップフロアや小上がりなど、敢えて段差をつくって空間を仕切るような仕様が人気を集めています。しかし、シニアライフを考えると、段差がある間取りは足腰の負担によって生活がしにくくなってしまう可能性があるので注意しましょう。

②転倒リスクを抑えた浴室

浴室で滑って転んでしまう怪我をよく耳にします。浴室は水や石鹸などで滑りやすくなっている場合があり、特に浴槽をまたぐときに滑ってしまうケースが多いようです。このような浴室での転倒リスクを減らすために、またぎの高さが低くても大丈夫な浴槽の設計や滑りにくい床の素材を選ぶようにしましょう。

③廊下の幅は90cm以上

廊下の幅は7580cmほどで設計することが多いですが、老後の生活を想定すると90cmほどあると安心です。他の部屋を少しでも広く確保したいため、廊下を広く取ることはなかなか難しいですが、90cm程度の幅があると車イスでも通ることができます。

④断熱性気密性の高い住宅設計

冷暖房の効率化のためにも、断熱性や気密性の高い住宅設計は欠かせません。これはシニアライフだけに関わる話ではありませんが、高齢になるとヒートショックのリスクが高まるため、より一層気を付けたい設計ポイントになります。冬場になるとヒートショックのニュースも増えており、身近な事故になっているので注意しましょう。

⑤トイレの場所と設計

就寝中にトイレで起きてしまうことが多くなります。寝室側にトイレがあると、暗い夜でも行きやすく距離が近いので便利。2階建ての場合は、1階と2階の両方にトイレがあると安心です。

⑥各所に手すりをつける

廊下や浴室、トイレなどに各所に手すりがあれば転倒のリスクを軽減できます。転倒防止に役立つ手すりがあれば安心感は大きくなるでしょう。

⑦ドアは引き戸に

シニアライフを考えると、開き戸よりも引き戸の方が快適に生活ができます。引き戸の方が開ける負担も少なく、車いす生活になった場合でも自分で開け閉めが可能です。

⑧リフォームしやすい住宅設計

「子どももまだ小さいし、老後を見据えた設計までは考えられない」とお思いの方もいるでしょう。このような場合は、タイミングが来た時に柔軟にリフォームがしやすい設計にしておくと安心。子どもの成長や子どもが巣立っていくときには、ライフスタイルも大きく変わっているはずです。リフォーム費用を抑えるためにも、リフォームを前提とした設計をおすすめします。

平屋と2階建てのメリット・デメリット【老後シニアライフ編】

段差を回避するためには平屋の方が快適なように感じますが、好立地に平屋の家を持つことは多くの人が実現できるものではありません。平屋と2階建てのメリット・デメリットについて、老後のシニアライフ目線で解説します。

平屋のメリット

平屋でシニアライフを送る代表的なメリットは以下となります。

・ワンフロアで生活ができるため生活動線がスムーズ

・完全に段差のないバリアフリー設計が可能

・掃除がしやすい

・メンテナンスがしやすい

平屋のメリットは、バリアフリーや生活動線に関わることが多いです。

平屋のデメリット

バリアフリーが実現できる平屋ですが、以下のようなデメリットもあります。

・郊外や駅から遠い立地、利便性が低い立地になりやすい

・面積が広いため土地費用や建設費用が高くなる

・面積が広いため固定資産税が高くなる

・外から見えやすく防犯面やプライバシー性に配慮が必要

平屋は2階建てよりも広い面積が必要です。そのため、駅近や利便性の良い場所では広い土地の確保ができず、住宅費用が高くなりがちなことが大きなデメリットとされています。

2階建て住宅のメリット

2階建て住宅で老後のシニアライフを送る、代表的なメリットは以下となります。

・狭い土地でも床面積を確保できる

・平屋よりも住宅費用や固定資産税が抑えられる

・立地が良ければ利便性が高い

・プライバシー性の確保や防犯対策がしやすい

2階建て住宅は、コスト面や好立地のメリットが大きいと言えます。

2階建て住宅のデメリット

コスト的にも実現しやすい2階建て住宅ですが、以下のようなデメリットもあります。

1階と2階で階段があるため、バリアフリーにはできない

・階段の上り下りで転倒のリスクがある

・日々の掃除がしづらい

2階部分のメンテナンスが大変

2階建て住宅は、階段の生活動線がデメリットになります。足腰への負担や転倒リスクもあるので、2階建て住宅は間取りの工夫が必要です。

老後を見据えた設計で工夫できるポイント

平屋にしても2階建てにしても、少なからずデメリットはあります。快適なシニアライフのために工夫したい、家づくりの設計ポイントを解説します。

階段の傾斜を緩やかに

2階建て住宅で最大のデメリットである階段は、なるべく傾斜を緩やかにすることで上り下りをしやすくできます。バリアフリー法の基準では、約28度の傾斜で安全性が高いとされており、段差の幅や手すりをつけることでデメリットを改善することが可能です。

防犯性を高くする工夫

防犯対策は平屋、2階建て問わず大切なポイント。2階建てだから安心ということはなく、防犯カメラやセンサーライト、モニター付きインターホンなど、防犯設備は積極的に取り入れていきましょう。また、死角をつくらない庭や玄関の設計も工夫したいポイントです。

生活動線の中心を1階に

老後の暮らしは、1階だけでも生活できるような設計にしておくと安心です。リフォームしやすい間取り設計にしておき、ライフスタイルの変化とともに、生活動線に合わせたリフォームができると良いでしょう。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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