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家づくり
畳コーナーのメリット・デメリット|失敗しないための対策を解説します!
「和」の雰囲気が心落ち着く「畳コーナー」。
畳の見た目や香り、肌ざわりは日本人がほっとする独特のスペースではないでしょうか。
近年では、昔ながらの和室というよりは、モダンでオシャレな和空間として採用する住宅が増えています。
しかし、あまり深く考えずに畳コーナーを設けると、あとで「要らなかったかも…」と後悔することになりかねません。
畳コーナーの活用方法や注意点などを理解した上で畳コーナーを設けられると良いですね。
今回は、畳コーナーのメリット・デメリットについてご紹介します。
目次
畳コーナーの特徴
畳コーナーは、昔ながらの和の個室というスタイルは少なくなっています。住宅全体のスペースがコンパクトになっていることもあり、リビングダイニングの一角に畳コーナーを設ける間取りが多いようです。畳の種類や空間のデザインもひと昔前とは特徴が異なっており、オシャレでモダンな寛ぎ空間として人気を集めています。
畳の種類
これまでの和室は、い草を張った長方形の畳を用いることがほとんどでしたが、近年では「和紙畳」「琉球畳」もよく使われるようになりました。昔の畳はフチがあるものでしたが、和紙畳や琉球畳はフチがないものも多くスタイリッシュな印象です。また、「色のバリエーション」があることも特徴です。例えば、
・若草色:畳に近い色ですが渋みを無くした優しい緑色
・銀白色:真新しさを感じる明るい緑色
・白茶色:ベージュっぽい色合いでインテリアと馴染みやすい色
・灰桜色:ベージュとグレーを合わせた色合いで良い意味で和室らしさを抑えた色
このような色のバリエーションがあるので、さまざまなインテリアに柔軟に対応できることも人気の理由です。
畳コーナーのデザイン
床とフラットに繋げるのではなく、あえて段差をつけて「小上がり」にした畳コーナーもよく取り入れられています。小上がりとは、ひざ下くらいまでの段差をつけて空間を区切ったもの。戸や襖を設けなくても段差をつけることで空間が分けられるので、コンパクトなリビングダイニングでもつくりやすいデザインと言えるでしょう。
畳コーナー5つのメリット
畳コーナーがあることで、生活のしやすさや、他の部屋にはない特別な雰囲気を楽しむことができます。畳コーナーをつくる5つのメリットをお伝えします。
リラックスルームに
畳の空間は、ホッとできるリラックスルームとして最適です。忙しい家事の合間や休日の一人時間を有意義に過ごすのにも嬉しい寛ぎ空間になります。畳の香りやサラリとした肌触りは、思わず寝転んで昼寝をしたくなってしまうでしょう。
和モダンなインテリアに
日本らしい和モダンなインテリアがお好みの人にも畳コーナーは魅力的です。畳コーナーがあることで、一気に和の雰囲気が広がり、コンセプトに合ったインテリアを演出できるでしょう。
家事ができるスペースに
洗濯物を畳んだり、アイロン掛けをしたり…畳コーナーがあると家事がしやすいです。リビングでそれらを行うとゴチャゴチャしがちですが、畳コーナーならスッキリとしたスペースで家事ができそうです。
子どもが遊ぶスペースに
畳コーナーは、赤ちゃんのお昼寝スペースや、小さいお子さんが遊ぶ空間としても適しています。畳はクッション性があるためお子さんが転んでも安心感がありますね。おもちゃを落としてもフローリングのように音が響かず、傷になりにくいところもメリットです。
ゲストルームに
お友達や親戚が泊まりに来たときにも便利なのが畳コーナーです。個室スペースに余裕がなくても、別空間に来客を招くことができ、ゲストルームとしても活用できます。
畳コーナー3つのデメリット
幅広く使える畳コーナーですが、デメリットがあることも知っておきましょう。代表的なものを3つ解説します。
掃除がしにくい
フローリングと比べると、畳は掃除がしにくいです。フロアワイパーでサッと掃除することもできず、基本的には掃除機を掛けることになり、畳の目地に沿ってホコリやゴミを取り除きます。また、飲み物をこぼしたときなどは、シミやカビの原因となってしまうので、しっかり乾かして早めの対処をすることが大切です。
ライフスタイルの変化で不要になる
はじめは有効活用していた畳コーナーであっても、お子さんが大きくなり家族のライフスタイルが変わると不要になるケースもあるでしょう。気が付くと物置スペースになっていた…となってしまうと、せっかくのスペースが勿体ないですね。
メンテナンスが必要
畳だからという訳ではありませんが、定期的なメンテナンスが必要です。ダニやカビ対策として、固く絞った雑巾で水拭きをした後に乾拭きをします。風通しの良い場所で定期的に干す等のメンテナンスをしておくと安心です。また、フローリングはDIYで補修できる方法もありますが、畳が劣化してきたら基本的には張り替えや交換をしなくてはいけません。
畳コーナーでよくある失敗例
畳コーナーをつくったものの、「失敗した…」となってしまう例をご紹介します。同じ失敗例にならないよう注意しましょう。
リビングが狭くなってしまった
「畳コーナーを設けることでリビングが狭くなってしまった」というケースがあります。広さのバランスは後から変えることは簡単ではありません。狭すぎては活用しにくいスペースとなってしまうため、慎重にバランスを考えましょう。
段差がストレスになってしまう
小上がりにしない畳コーナーでも、仕切りの段差は生じます。赤ちゃんや足の悪いお年寄りがいらっしゃるご家庭などは安全性も考慮しましょう。また、段差のためにロボット掃除機が畳コーナーに侵入できないこともあるので、掃除の手間が出てくるかもしれません。
インテリアデザインが合わない
家づくり当初は和モダンな雰囲気に憧れていても、北欧テイストなどの洋風なインテリアに変えたいときにデザインが合わなくなってしまうこともあるでしょう。インテリアデザインの変化にも対応できる工夫が必要です。
物置スペースになってしまった
お子さんが小さいうちは目が行き届く子どもスペースとして使っていても、成長と共に使用頻度が低くなりがち。物置スペースになりやすい場所でもありますが、物が増えると掃除がしにくく畳の劣化にも繋がるので注意しましょう。
畳コーナーで気を付けたい3つの注意点
畳コーナーのよくある失敗例を元に、気を付けたい3つの注意点を解説します。
使用用途を明確にする
何のために畳コーナーを取り入れるのか、使用用途を明確にしましょう。お子さんが小さいうちは目が行き届くキッズルームとして活用。成長して使わなくなったら、少し大人仕様にしてリラックスできる空間にするなど、長期的な目線で空間づくりができると良いですね。
適切な広さや収納を想定する
使用する目的に最適な畳コーナーの広さを考えましょう。広さと合わせて、どれくらいの収納スペースが必要なのか、リビングダイニングとのバランスも含めてイメージすることが大切です。
将来的にリフォームがしやすくする
畳コーナーの使用用途が変わったタイミングで、新しい目的のためにリフォームが必要になるケースもあります。予めリフォームがしやすい間取り設計にしておくと、ライフスタイルの変化にも対応しやすく失敗を防げるでしょう。
監修 野村 綾乃氏
株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役
大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。