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家づくり
一戸建て住宅では太陽光発電は導入すべき?メリット・デメリットを解説します!
「太陽光発電って、電気代の節約になるんでしょう?」
そんなイメージを持っている方は多いと思いますが、実際の仕組みや効果までしっかり理解している方はそれほど多くないかもしれません。
その一方で、「初期費用が高そう…」といった不安の声もよく聞かれます。
しかし、太陽光発電には電気代の削減だけでなく、災害時の備えや環境への配慮といったさまざまなメリットがあります。
また、設置費用も条件によっては大きく抑えることができるのです。
今回は、一戸建て住宅に太陽光発電を導入するべきかどうか、メリットとデメリットを解説していきます。
目次
太陽光発電の仕組みとは?
まずは、太陽光発電がどういった仕組みなのかを確認しておきましょう。簡単に説明すると、太陽の光を利用して電気をつくるシステムです。屋根などに設置したソーラーパネルで電気を発電し、その電気を家庭内で使用することができます。また、蓄電池を併用すれば、発電した電気を蓄えておくことも可能です。太陽が出ているときに発電した電気を貯められることは、大きなメリットに繋がります。
太陽光発電5つのメリット
太陽光発電を導入することで得られるメリットは数多くあります。特に、経済的なメリットは大きく、将来的にも続くことから一戸建て住宅にとって魅力的な設備のひとつといえるでしょう。ここでは、太陽光発電を設置することで得られる主なメリットを解説します。
電気代を節約して支出を減らす
太陽光発電の代表的なメリットは、「電気代を節約して支出を減らす」経済的な効果です。太陽の光という自然エネルギーを使って発電するため、購入する電力量が減り、結果的に月々の電気代を抑えることができます。電気代は年間で数十万円にのぼることもあり、この費用を削減できるのは家計にとって大きなプラス。一度設置すれば長期間にわたって節電効果が続くため、将来の支出も安定しやすくなります。特にオール電化住宅の場合、電気の使用量が多くなるため、太陽光発電の恩恵をより強く実感できるでしょう。
停電時にも電気を確保できる
太陽光発電でつくった電気は、導入した蓄電池に貯めておくこともできます。そうすることで、太陽の出ていない夜間や悪天候時、さらには停電時でも電気を使用することが可能です。地震や台風、集中豪雨などによる停電は年々増加傾向にありますが、そんな非常時にも電気が使える安心感は何物にも代えがたいものでしょう。
電気を売って収入が得られる
太陽光発電でつくられた電気は、家庭で使い切れなかった分を電力会社に売ることができます。いわゆる「売電収入」と呼ばれるもので、発電量が消費量を上回った場合、その差分が収入につながる仕組みです。再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)により、発電から10年間は国が決めた単価で電力の買取りが保証されています。2024年度の売電価格は1kWh当たり16円とされていました。過度な収益は期待できないものの、電気代を節約できる上に、売電による収入が家計を少しでもサポートしてくれるのは嬉しいポイントです。
補助金を使って設置できる
太陽光発電のネックとされるのが、設置時の初期費用です。しかし、自治体によっては補助金制度を設けており、条件を満たせば費用の一部が支援されるケースもあります。国は再生可能エネルギーの普及を推進しているため、補助金の支援制度を展開している地域も珍しくありません。太陽光発電の導入を検討している方は、お住まいの自治体の補助金情報を確認してみると良いでしょう。
環境に優しいエコ
一般的な電力は、火力発電でつくられることが多く、二酸化炭素を排出してしまいます。しかし、太陽光発電は、発電時に二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギー。環境への負荷が少なく、地球温暖化防止にも貢献できます。経済的なメリットだけでなく、環境にやさしい選択肢として社会貢献につながる点も、太陽光発電を導入する大きな理由の一つです。
太陽光発電4つのデメリット
太陽光発電には経済的・環境的の両面で多くのメリットがありますが、導入にあたって注意しておきたいデメリットもあります。それを知ることで、後から後悔するリスクを軽減できます。太陽光発電の設置によって生じる可能性のあるデメリットについて解説します。
設置する初期費用がかかる
太陽光発電の導入には、まとまった初期費用が必要です。一般的な一戸建て住宅の場合、80万~140万円ほどかかることが多いようです。設置後に電気代が節約できることを考えると、長い目で見れば初期費用を回収できる可能性も高いですが、最初にまとまった費用がかかることがネックになることも多いでしょう。ただし、自治体によっては補助金制度が用意されており、条件を満たせば初期費用を軽減できる可能性があります。
天候によって発電量が変わる
太陽光発電は太陽の光を利用するため、天候の影響を受けやすいという特徴があります。曇りや雨の日が続くと発電量が減少し、冬季には日照時間が短くなることで全体の発電量が落ちることもあります。そのため、年間を通して安定した発電量を期待するのは難しく、天候に左右される点は理解しておく必要があります。
定期メンテナンスが必要
ソーラーパネルや周辺機器の性能を長く保つためには、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。場合によっては部品の交換が必要になることもあり、長期的にはメンテナンス費用が発生することも想定しておくと安心です。導入時には、メーカーや施工会社による保証期間やアフターサービスの内容をしっかり確認しておきましょう。
メリットを活かせない住宅もある
すべての住宅で太陽光発電のメリットを最大限に活かせるわけではありません。太陽光が十分に当たる環境であることが大前提となるため、屋根の面積が小さい場合や北向きの屋根では発電効率が低下する可能性があります。また、周囲に高い建物や樹木があると、日照が遮られて発電効率に影響する場合もあります。加えて、ソーラーパネルは重量があるため、住宅の構造がその重さに耐えられるかどうかの確認も必要です。
太陽光発電はこんな方におすすめ!
メリットとデメリットを踏まえたうえで、太陽光発電の導入がおすすめなのは以下のような方です。当てはまる場合は、暮らしの質を高める選択肢として検討してみる価値があるでしょう。
光熱費が高くて困っている
電気代の高騰が続く中、家計における光熱費の負担は無視できません。電気は生活に不可欠なものだからこそ、節約できる手段があるのは大きなメリットです。太陽光発電によって電気代を節約できることで毎月の支出を安定させたい方に向いています。
災害や停電に備えたい
太陽光発電と蓄電池を併用すれば、発電した電気を貯めておくことができます。万が一の停電時にも自宅で電気を使用することができるのは心強いものです。電気が使えると、室内温度を快適に保つことができ、夜の照明やあたたかい食事の用意もできます。災害時の生活維持に欠かせないエネルギー源を確保できることは、非常時の不安材料を減らしたい人にも大きなメリットでしょう。
補助金が使えるエリアに住んでいる
太陽光発電で躊躇されやすいポイントは、設置に係る初期費用。設置費用が心配という方でも、補助金制度が利用できる地域であれば、導入のハードルはぐっと下がります。補助金を活用することで初期投資を抑えることが可能なので、まずはお住まいの自治体の補助制度を確認し、条件に合うかどうかを調べてみると良いでしょう。
監修 野村 綾乃氏
株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役
大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。