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家づくり
家づくりで失敗しないフローリングの選び方を考えよう
家の中で、フローリングは生活や住まいの印象に大きな影響を与える部分です。
フローリングとは、床仕上げ用板材のこと。
多くの住宅の床がフローリングを採用していますが、「フローリングについてあまり気にしたことがなかった」という人も少なくありません。
フローリングの選び方によって、空間の見え方はもちろん、住まいの快適性も変わってくるので、理想のフローリングを選ぶために種類や特徴を知っておくと良いでしょう。
そこで今回は、家づくりで失敗しないためのフローリング選びについてお伝えします。
目次
生活に関わるフローリングの重要性
フローリングは住まい空間の中でも広い面積を占めています。面積が広い分、生活に与える影響も大きく、気に入らないからといって簡単に変えることもできません。張り替えを行うとなると、多くの費用がかかるだけでなく、一時的な引っ越しをしなくてはならないので労力も大きくなってしまいます。フローリングが住まい空間に与える印象や、暮らしの快適性に関わるポイントについて解説します。
空間の印象
単に色合いやオシャレ感だけでなく、フローリングの質感や素材の表情によって空間に与える印象が変わってきます。フローリングの選び方次第で、明るい空間やモダンな空間、ナチュラルな空間、クールな空間を演出することができます。
部屋が暗くて明るくしたい・・・
コンパクトな空間だから圧迫感を少なくして出来る限り広く見せたい・・・
オシャレでモダンなインテリアにしたい・・・
このような希望もフローリングによって印象を変えることができるでしょう。
生活の快適性
フローリングは、同じような「木」に見えますが、木の種類によっても特徴や印象が違いますし、素材の性質が異なるものもあり、それぞれで生活の快適性が変わります。直接肌に触れる部分でもありますから、肌ざわりや硬さ、クッション性などによっても感じ方が違うでしょう。長く使い続けるために、耐久性やお手入れのしやすさを確認しておくこともポイントです。また、部屋の環境や設備によっても選び方が変わってきますし、床暖房の有無、ペットを飼っているか、お子さんやシニアがいるかどうかによっても重視するポイントが違います。
機能性
フローリングは、機能性に優れた床材として重宝されています。耐久性が高く、適切なメンテナンスをすることで美しさを保ちやすいです。フローリングの機能によっては、防音性が高いものや滑りにくいものもあるので、お子さんやシニア、ペットがいる場合は機能性もチェックして選ぶと良いでしょう。
お手入れ
フローリングは、日々の暮らしの中で汚れやすい部分でもあるので、お手入れのしやすさも重視したいポイントです。フローリングの種類によっては、水拭きを避けたいものもあります。お子さんやペットがいるご家庭はフローリングが汚れる機会も多いので、掃除のしやすさも気になるところ。メンテナンス方法も含めて判断しましょう。
フローリングの種類と特徴
どんなフローリングを選ぶのか、まず種類と特徴を知ることから始めましょう。フローリングの種類は大きく分けて「無垢」と「複合」の2種類があります。2種類とも特徴や注意点が違うので、理解しておくことが大切です。
無垢フローリング
無垢フローリングは、天然木の一枚板を加工したもので、木本来の素材感を活かしたタイプ。質感が高く、肌ざわりや香りも良く、保温性や断熱性に優れていることも特徴です。また、調湿性にも優れているため、夏でもサラリと心地よく、湿度が高くなりやすい日本の気候にも合っています。一年を通して素足で過ごせるような快適性が好まれるのが無垢フローリングです。化学物質によるシックハウス症候群のリスクが低いことも特徴の一つなので、お子さんがいらっしゃるご家庭にもおすすめ。加えて、長年使っていると劣化が見られるものですが、無垢フローリングは、経年による変化さえも”味”になり趣きとなり得ることも魅力です。気をつけたい点としては、価格が高めであることと、調湿性に優れているものの木材が収縮してしまうこと等があります。調湿性が高いが故に、湿度に応じて気が反ったり収縮したりすることがあるため、フローリング施工の際は注意が必要です。
複合フローリング
複合フローリングは、複数の合板を張り合わせた下地材の表面に、天然材や化粧シート等を張り合わせて作った床材。品質の安定性が高く、デザイン性の高いものや機能性に優れたものがたくさんあります。無垢フローリングに比べて価格もリーズナブルで、品質が安定しているので施工もしやすく安心感があるでしょう。インテリアに合わせやすいデザインが選べて、傷がつきにくい機能や滑りにくい機能、防音性の高いものなど、機能性の高さも複合フローリングの特徴になります。気をつけたい点として、例えば、表面材がシートタイプのものだと安っぽい印象を与えてしまうことも。また、深い傷がつくと中の合板が見えてしまう可能性や、湿度が高いとベタついてしまう等もデメリットとして挙げられます。
フローリングの色で選ぶときのポイント
色によって空間の見え方や感じ方が変わります。フローリングの色を重視して選ぶことも多いでしょう。
ナチュラルカラー
フローリングでイメージされやすいのがナチュラルカラーではないでしょうか。定番でもあり合わせやすく、木の温かみを感じやすい特徴があります。ただし、ナチュラルカラーのフローリングは、価格帯によって見え方も変わり、安っぽく見えてしまうものもあるので選ぶ際は注意しましょう。
ダークカラー
高級感や重厚感を演出したいときにも好まれるのがダークカラーのフローリング。部屋全体がモダンな空間になります。その反面、部屋が暗い印象になってしまったり、ホコリが目立ちやすいという注意点もあることを知っておきましょう。
ホワイトカラー
ホワイトカラーのフローリングは、部屋全体が明るくなり開放感のある印象を与えてくれます。幅広い系統のインテリアに合わせやすく、清潔感もあるところが嬉しいポイントです。デメリットとしては、光が反射して明るくなる一方、太陽光の強さによっては眩しく感じてしまうことや、汚れが目立ちやすいことがあります。
フローリングをバランスで選ぶときのポイント
部屋のバランスを見てフローリングを決める場合、何を重視するか悩んでしまいますね。フローリングとのバランスを取りやすい例を解説します。
空間デザインとのバランス
好きなインテリアが決まっていれば、雰囲気が合うフローリングを選びましょう。
・ナチュラル系:ナチュラル、ホワイト系、無垢
・モダン:ダーク系、ホワイト系、無垢
・カフェ:ナチュラル、無垢
・北欧系:ホワイト系、ナチュラル、無垢
・アジアン系:ダーク系、無垢
インテリアの種類によって色の特徴が変わるので、空間デザインとのバランスが大切です。また、色だけでなくフローリングの幅によっても空間の見え方は変わってきます。幅によって異なる印象にも注目して選んでみてください。
ドアなどの建具とのバランス
フローリングを、住宅建具のドアと合わせるのも選び方のポイントです。ドアと同じ色に合わせる方法もありますが、ドアはダーク系でフローリングはホワイト系などメリハリをつけるのも良いバランスになります。
空間の広さとのバランス
部屋の広さからフローリングの色を選ぶのも決め方のひとつ。コンパクトな部屋の場合は、圧迫感を軽減するために明るい色のフローリングが良いでしょう。広いリビング等であれば、ダークカラーで引き締まったインテリアにもできます。天井や建具、家具とのバランスを見て決めることをおすすめします。
監修 野村 綾乃氏
株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役
大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。