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家づくり
家づくりの資金計画について考えよう!計画の立て方とポイントを解説します!
目次
家づくりの資金計画を立てる手順
初めての家づくりでは、どのように資金計画を立てたら良いかわからない人も多いことでしょう。資金計画を立てる手順は以下の5つのステップです。
1. 家づくりの購入予算を決める
2. 頭金や支払い方法を決める
3. 住宅ローンのイメージをする
4. 支払の流れを知る
5. 逆算して現実的な予算を見極める
それぞれのステップごとに詳しく解説します。
住宅の購入予算を決める
資金計画を立てるには、購入予算の見込みを立てることから始めます。土地エリア、面積、設備など類似した売り出し物件を見つけて、おおよその基準となる相場を把握します。建物の費用は、面積や間取りによって目安となる費用は想定しやすく、特別な設備やデザインを加えなければ予算が決めやすいです。しかし、土地の予算はエリアや駅からの距離、土地の条件などによって変動します。希望通りの家づくりが予算内でできるとは限らないので、いくつかのエリアや価格帯の異なる物件条件を基準にして、購入予算のパターンを複数持っておくと良いでしょう。
頭金や支払い方法を決める
家づくりの購入予算が決まったら、購入するための頭金や支払い方法を決めます。一般的には「頭金+住宅ローン」で支払うことが多いですが、人によっては家族の援助を得られるケースもあるでしょう。購入予算の家を購入するために、いくらの頭金が必要で、住宅ローンをいくらで組む必要があるのかを算出します。頭金0円でもOKということを売りにしている物件もありますが、基本的には頭金として購入費の20%程度を用意しておくと安心です。5,000万円相当の購入費用がかかるとすれば、1,000万円程度の頭金が理想とされています。ただし、住宅ローンでの返済に無理がなければ、20%を意識し過ぎる必要はありません。
住宅ローンのイメージをする
住宅ローンは各金融機関によって金利や条件が変わってくるため、最終的には複数の金融機関で比較をしましょう。住宅ローンをイメージするときは、各金融機関がネット上で公開している住宅ローンシミュレーションを使うとわかりやすいです。返済年数や毎月の支払額が計算でき、ボーナス払いの設定や、金利によってどれくらいの金額が上乗せになるかを把握できます。また、毎月いくらの返済であれば、何歳に完済できるといった算出も簡単にできます。住宅ローンのイメージによって、頭金の見直しや資金計画がより現実的なものとして考えられるでしょう。
支払いの流れを知る
家づくりの資金計画と合わせて、支払いが発生するタイミングも知っておきましょう。頭金の支払いや住宅ローンを組むタイミングは、同じタイミングではありません。
最初に支払いが発生するのは、土地の購入時です。土地の契約段階で、手付金や仲介手数料の一部が発生します。物件によって条件は異なりますが、手付金はおおよそ5~10%、仲介手数料は50%が目安です。土地の購入手続きが完了したら、土地代金と仲介手数料の残額の決済をします。その他、登記費用や司法書士手数料などの細かな費用も発生するので覚えておきましょう。この段階で住宅ローンを組む場合は、土地代に関わる住宅ローンが始まります。
土地購入の支払いの次は建物に関わる支払いです。家の建築についても、契約時に契約金として10%程度の支払いが発生することがあります。その後は、建設着工時・建設時・引き渡し時とタイミングが分散されて、最終的な建築費用の全額決済が完了する流れです。この中には建築の申請費用や地盤調査費用、登記費用、火災保険費用などもかかります。
大まかな支払いスケジュールの目安となりますが、具体的な金額の割合は不動産会社や建設会社によっても変わってくるので、物件が絞れてきた際には支払いスケジュールも詳しく確認しましょう。
家づくりの資金計画で気を付けたい注意点
家づくりの資金計画は、理想的なイメージによる計画となってしまうことが多く、現実は大きく違ってしまったという失敗も少なくありません。お金に関わることなので無理をする計画は危険です。資金計画で気を付けるべきポイントを解説します。
無理のない毎月の返済額
住宅ローンを組む際に、大前提となるのが無理のない返済額で設定することです。住宅ローンの返済比率は、年収に対して30%以内と言われることが多いですが、金融機関の審査では35%くらいあっても通ってしまうことがあります。年収の35%を住宅ローンの返済に回すとなると、日常の生活費用に余裕を持てないことも。長期間に渡るローンなため、体調不良や会社の事情、経済状況などによって収入が減ってしまう可能性もゼロではありません。特にボーナス払いを設定する場合や、夫婦のペアローンを組む際は要注意です。ボーナスは約束されたものではなく、そのときの業績によって変わります。また、夫婦でローンを組む際も、出産や育児で十分に収入が得られない時期も出てきます。そのようなケースも考慮して、無理のない返済額で住宅ローンを組むようにしましょう。
手持ちに残すお金
自己資金のすべてを頭金に費やしてしまうことも要注意です。住宅の購入は、想定していなかった費用が後からかかることもあります。貯蓄がギリギリまでになってしまうと、心の余裕もなくなってしまうので、手持ちに残すお金のバランスも考えておきましょう。
住み始めてから必要になるお金
家づくりに掛かる費用は、引き渡しが終わったら完了ではありません。すぐに引っ越しの費用や家具、日用品を揃える費用がかかります。不動産取得税や固定資産税など、住み始めてからかかる費用も忘れてはいけません。
ライフイベントを考慮する
結婚、出産、子どもの就学、退職、車の購入、介護など…人生にはさまざまな生活の変化が訪れるもの。想定で構わないので、現時点の年齢から予測しておくことが大切です。予測が当たることが重要なのではなく、想定して備えておくことが重要になります。また、年齢によって住宅ローンを組む年数を調整することも1つです。65歳で定年退職を迎えると想定した場合、35年ローンを組めないケースもあります。また、家を購入して築何年まで住むことを想定するのか、そのまま住み続けるのか、売却して買い替えるかなど、先々を考えることで住宅の見方も明確に決まってくるでしょう。
転職を考えている
転職はライフイベントの一つですが、収入に関わる大切なポイントです。収入アップが見込める転職だけでなく、思ったように収入が上がらなかったということもあります。また、企業や業種によっては、転勤になってしまう可能性も考えなくてはいけません。せっかく家を購入しても、そこに住めない状況になってしまっては残念です。転職も慎重に考えて計画を立てましょう。
監修 野村 綾乃氏
株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役
大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。