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住宅の寿命とメンテナンスについて適切な時期を考えよう!

やっと購入したマイホーム。綺麗な状態で長く住み続けたいですが、どんな住宅でも築年数とともに劣化してきます。
劣化が目立ってくると住宅の寿命が短くなってしまい、快適性や資産価値が落ちてきてしまいます。
そこで大切なのが住宅のメンテナンスです。
メンテナンスをすることで、住宅を綺麗な状態で保ち、快適性を損なうことなく売却するときの資産価値も良い方向に維持できます。
今回は、住宅の寿命に関わるメンテナンスについて詳しくご紹介します。
マイホームを検討している方、購入された方はぜひ参考にしてみてください。

メンテンナンスの重要性

住宅のメンテナンスは以下の3つに影響があります。

・快適性と安全性

・劣化や不具合の対策

・資産価値

日常から住宅のメンテナンスを行うことで、現状の住まい環境から将来的な住まいの価値まで変えることができます。綺麗にメンテナンスができていれば、築年数が経っても快適に暮らすことが可能です。劣化や不具合を起こしにくい家づくりに繋がり、安心して安全に暮らすことにも繋がります。10年後、20年後、30年後に売却するときにも、資産価値を少しでも維持することで最善の売却ができます。メンテナンスによって与える影響が大きいので、重要性の高さを認識しておきましょう。

住宅の寿命は何年?

日本の住宅技術は高く、木造住宅でも約30年の寿命があるとされています。マンションなどの鉄骨造に至っては、約30年から60年も寿命があります。ここで言う寿命と言うのは、住宅が壊れてしまうわけではありません。寿命よりも長く良い状態を保つために、メンテンスが重要です。

寿命と耐用年数は違う

寿命とは別に「耐用年数」という言葉があります。耐用年数も住宅の価値の期間として使われる言葉ですが、寿命とは別の税務上で使われる住宅価値です。木造住宅の法律で定められた、減価償却期間の耐用年数は22年とされています。減価償却期間とは、住宅が建ってから築年数と共にその価値が減少し、税務上の価値が0になるまでの期間です。一般的な意味合いとしては寿命と同じように感じますが、企業が資産として費用を計上する際に、減価償却期間を決めて分散して計上することから、耐用年数が使われています。実際の価値としては、築22年以降もメンテナンスによって綺麗に保てるので、資産価値として残っているケースも多いです。

築年数によって出やすい劣化症状

丈夫に作られている住宅でも、築年数によって劣化症状が表れます。特に、築10年目を超えてくると、目立つ劣化症状が表れてくるので要注意です。ヒビ割れやサビ、塗装の剥がれなどが最初に出やすい症状。築20年目に近づいてくると、メンテナンスをせずに放っておいた場合、水漏れや設備の交換など、大きな損傷に繋がる劣化が出てきます。

住宅で劣化しやすい場所とメンテナンス方法

住宅の中で特に劣化しやすい場所があります。雨風があたる外の部分は劣化しやすいため、小まめにチェックをして、劣化が見られたときは早めのメンテナンスを心掛けましょう。

外壁

外壁は雨、風、紫外線の影響を受ける場所で、汚れやヒビ割れ、塗装の剥がれなどの劣化が出やすいです。外壁は小さな傷の内にメンテナンスをしておくと、手軽に済ますことができます。補修をしないでおくと大きな損傷になってしまい、メンテナンス費用も高くついてしまうので注意しましょう。外壁のメンテナンスは、小まめな清掃が基本です。清掃をして綺麗な状態を保ち、劣化が見えてきたら小さい損傷の内に補修材などでメンテナンスします。


屋根

外壁と同様で劣化しやすいのが屋根です。屋根はチェックするのが危ないので、目立つ損傷が出るまで見落としやすい場所でもあります。見える範囲内でのチェックになりますが、雨漏り、屋根材のヒビ割れ、変色、サビなどの症状が表れたら専門業者に依頼することも考えましょう。

床の傷や汚れは日頃から目につきやすい場所なので、掃除や補修をしましょう。また、一見綺麗な床だとしても、床下が腐食していることもあります。特に、キッチンや洗面所などの水まわりの床下は、湿気が溜まりやすく注意すべきポイントです。

水まわり

キッチン、浴室、洗面所、トイレなどの水まわりは、カビや水アカによる汚れがつきやすいです。とにかく小まめな掃除で綺麗に保つことで劣化を抑えられます。特に配管を傷めないためにも、排水口は綺麗に保つことを心掛けましょう。

壁紙

壁紙は劣化してくると、湿気や乾燥によって剥がれや浮いてくる症状が表れます。結露が出やすい窓付近は、壁紙の剥がれが生じやすい場所です。キッチン部分も油などによって壁紙が変色しやすいので、適切な時期に張り替えを検討しましょう。

家を建てるときの工夫で住宅の寿命を延ばす

家の寿命を延ばすには、建てる段階で工夫できることがあります。

・劣化しにくい材質の使用

・メンテナンスしやすい配管の配置

この2つのポイントについて解説します。

劣化しにくい材質

家を建てるときの材質には、劣化しにくい特徴のある材質や断熱材があります。材質にこだわることで家を長持ちさせることが可能です。例えば、外壁には耐久性のあるタイルを使用し、断熱材はウレタンフォームを使用すると湿気の耐久性にも優れています。

配管の配置

見落としがちですが、意外と大切なのが配管の配置。水まわりのメンテナンスを始め、築年数が経つと配管も劣化してきます。そのときに配管の配置によって、壁や床を大きく剥がさなくてもメンテナンスが可能です。後々のメンテナンスまで考えて設計ができるコスト削減に役立ちます。

定期的なメンテナンスで住宅の寿命を延ばす

家を購入したからには、定期的なメンテナンスは欠かせません。大きな買い物なので、住宅寿命を延ばして資産価値の維持ができれば、売却したときの結果も良い方向に変わってきます。メンテナンスは、損傷や劣化が目立ってからというよりは、少しでも早い段階で補修することがポイントです。メンテナンスをするタイミングを決めておくと、大きな見落としなく寿命を維持しやすくなります。

春夏秋冬でメンテナンスチェック

春夏秋冬でメンテナンスを決めておけば、年4回のチェックができるのでおすすめです。季節ごとに梅雨、台風、湿気、落ち葉、乾燥、雪など、住宅に影響を与える天候に特徴があります。季節毎の特徴に合わせて、外壁や屋根、排水のチェックや清掃、メンテナンスを行いましょう。

築年数を節目にメンテナンス

季節毎のチェックだけでなく築10年以降、15年、20年、25年と5年おきに業者に依頼したメンテナンスができていると安心感が高いです。築年数とともに自分ではできない補修箇所が増えてきます。特にチェックが難しい屋根や床下などは、築年数で節目をつくって業者に依頼してメンテナンスをしておきましょう。築20年以上になってくると、床の張り替え、水まわりの設備交換、外壁や屋根の塗装といった、大きな補修や交換工事が発生してくるので、修繕費用の計画をしておくことも大切です。

監修 一級建築 代表取締役 原 康人氏

株式会社三建コンサル

個人・法人のお客様から土地や建物に関するご相談(空き家、相続、土地建物の売買など)を伺い、ご提案をしながら一緒に解決策を見出しています。建築設計はもちろん、土地の測量、農地転用や市町村の申請書類作成も行っており、「土地から建物の相談役」として皆様のお役に立てるよう努めています。

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