家づくり

子育てエコホーム支援事業を活用しよう!

住宅に関わる支援事業はさまざまありますが、大々的に告知してくれるものではないため、知らないものもあるかもしれません。
その一つとして今回ご紹介するのが「子育てエコホーム支援事業」です。
「どういう支援事業なの?」「補助金が受けられるの?」「どんな条件があるの?」と疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
名称に「子育て」がつく支援事業であっても、子育て世帯以外も対象となる場合があります。
これから家を建てる人やリフォームを考えている人は、対象にあてはまるかもしれないので確認してみてください。

子育てエコホーム支援事業とは?

子育てエコホーム支援事業は、その名の通り、子育て世帯向けのエコな住まいづくりに対して支援をしてくれる事業です。この制度の目的や対象となる条件について解説します。

補助金制度の目的

子育てエコホーム支援事業は、住宅の省エネ性能をアップし、生活を快適かつ便利にするために、費用をサポートしてくれる補助金制度。始まった目的としては、環境問題になっている地球温暖化から守るカーボンニュートラルの達成があります。世界的な目標に掲げられているSDGsに繋がる内容で、消費者も住まいづくりを通じて社会貢献が可能です。

制度を受ける対象期間

子育てエコホーム支援事業の制度を受けられる期間は、「2024329日~20241231日」。20241231日までに基礎工事を完了していることが条件です。予算が上限に達すると支援制度が終了してしまうので、早めに申請しましょう。

対象となる物件と最大補助金

子育てエコホーム支援事業の対象となるのは、新築物件やリフォーム工事です。対象物件や対象リフォームが明確にされているので、わかりやすいところもポイント。条件を満たすと、最大で100万円の補助金を受け取れます。子育てエコホーム支援事業は、ポイントやクーポン券ではなく現金での付与です。自己資金の負担を抑えることができ、そのまま支払いに充てることができます。注意点としては、補助金の申請は一般消費者ではなく、住宅省エネ支援事業者に登録されている事業者が申請をしなくてはいけません。対象者条件に当てはまる場合は、事業者に申請することを事前に伝えておきましょう。

子育てエコホーム支援事業が受けられる条件(新築注文住宅の場合)

新築で注文住宅を建てた場合の、子育てエコホーム支援事業の対象条件を解説します。分譲住宅とは内容が異なるのでよく理解しましょう。

対象者条件

新築の注文住宅で、子育てエコホーム支援事業の対象になるには以下の条件が必要です。

①  200542日以降に生まれた子を持つ世帯、または夫婦のどちらかが198342日以降に生まれていること

②  2023112日以降に基礎工事よりあとの工程の工事に着手すること

ただし、2024331日までに着工する場合は、基準日が1年前倒しとなる

③  エコホーム支援事業者と工事請負契約を結び、2023112日以降に工事を開始する新築住宅であること

住宅条件

新築の注文住宅で、子育てエコホーム支援事業を受けるためには、長期優良住宅またはZEH住宅であることが最低条件です。長期優良住宅は、耐震性や劣化対策、省エネ性能などを導入し、長期に渡って快適に過ごせる家を対象として認定されます。ZEH住宅は、太陽光発電や省エネ設備を導入し、生活で消費するエネルギーよりも、多くエネルギーを生み出せる家が対象です。その他には以下の条件が必要になります。

①    所有者本人の居住目的であること

②    床面積が50㎡~240㎡であること

③    土砂災害特別警戒区域や災害危険区域に該当しないこと

④    都市再生特別措置法第88条第5項の規定による勧告に従わなかったことが非公表であること

⑤    交付申請をする時点で、基準値に達成する工事が完了していること

一般消費者では認識が難しい部分もあるため、事業社とも条件的に問題がないか事前に確認しておくと安心です。

補助金額

新築の注文住宅で受けられる、補助金の金額設定は条件により異なります。

①  長期優良住宅の場合、1住戸につき最大100万円

②  ZEH住宅の場合、1住戸につき最大80万円

上記金額を最大上限として、細かな条件によって補助金額が決まります。

子育てエコホーム支援事業が受けられる条件(新築分譲住宅の場合)

新築分譲住宅の場合は、子育て世帯または若者夫婦世帯が対象となります。長期優良住宅やZEH住宅の購入で、40万~100万円の補助金を受けることが可能です。対象条件や住宅条件を解説します。

対象者条件

新築分譲住宅で子育てエコホーム支援事業を受けるには、以下の条件が必要です。

①  200542日以降に生まれた子を持つ世帯であること

または夫婦のどちらかが198342日以降に生まれていること

②  宅地建物取引業の免許を所有した事業者から購入

③  2023112日以降に基礎工事よりあとの工事に着手すること

ただし、2024331日までに着工する場合は、基準日が1年前倒しとなる

④  エコホーム支援事業者と不動産売買契約を結び、2023112日以降に工事を開始する新築住宅であること

住宅条件

新築分譲住宅で、長期優良住宅またはZEH住宅への該当を証明書等で確認でき、以下の条件に当てはまることが必要です。

①  所有者本人の居住目的であること

②  床面積が50㎡~240㎡であること

③  土砂災害特別警戒区域や災害危険区域に該当しないこと

④  都市再生特別措置法第88条第5項の規定による勧告に従わなかったことが非公表であること

⑤  売買契約時点で完成前、または完成から1年以内で誰も住んでいない状態であること

⑥  申請するときに一定基準までの工事が完了していること

補助金額

新築の分譲住宅で受けられる、補助金の金額設定は条件により異なります。

①  長期優良住宅の場合、1住戸につき最大100万円

②  ZEH住宅の場合、1住戸につき最大80万円

上記金額を最大上限として、細かな条件によって補助金額が決まります。

子育てエコホーム支援事業が受けられる条件(リフォームの場合)

リフォーム工事も子育てエコホーム支援事業の対象となります。リフォームの場合は、子育て世帯関係なく、全世帯が対象になるチャンスがあります。身近なリフォーム工事も含まれているので、見落としのないように活用しましょう。条件を満たした場合、最大60万円の補助金を受けることが可能です。

対象者条件

リフォーム工事で、子育てエコホーム支援事業を受けるには、以下の対象者条件を満たすことが必要です。

①  エコホーム支援事業者と工事請負契約をして、リフォーム工事を実行するすべての世帯

②  リフォームをするすべての物件所有者

リフォームの場合も、エコホーム事業者が購入者に変わって補助金の申請を行います。

リフォーム条件

リフォーム工事で補助金を受け取る条件は、以下の工事内容が対象となります。

①  開口部や天井・屋根・外壁・床の断熱改修工事

②  エコ住宅設備の設置工事

主なリフォーム条件はこの2つとなります。例えば、②のエコ住宅設備の設置工事は、節水トイレや節湯水栓、高効率給湯器、高断熱浴槽など身近なリフォームも当てはまります。2つの中からどちらかのリフォーム工事と、下記の工事を同時にすれば補助対象として認められます。下記工事だけでは対象に入らず、リフォーム料金が5万円以上になることが条件になるので注意しましょう。

①  子育て対応改修工事

②  防災性向上改修工事

③  バリアフリー改修工事

④  空気清浄または換気機能がついたエアコン設置

⑤  リフォーム瑕疵保険に加入

例えば、子育て対応改修工事は、ビルトイン食洗機やビルトイン自動調理対応コンロ、浴室乾燥機、宅配ボックスなども対象となります。バリアフリー改修工事は、大きな工事だけでなく、手すりをつけることや段差の解消だけでも対象です。対象になる項目も多いので、見落とさずに活用しましょう。

補助対象外の条件にも要注意

リフォーム工事だとしても、下記のような場合は対象外となります。

①    ガラス交換のみ

②    住居以外の部分工事

③    施工主から支給された材料を使った工事

④    外皮以外の工事

⑤    屋外設備の設置

⑥    太陽光発電やエネファーム設置工事

⑦    リース設備の設置

⑧    中古品の使用工事

リフォームによる補助金は、快適性の高さや効率の高い住環境を保つことが目的です。条件に当てはまるか不安な場合は、事前にチェックしましょう。

補助金額

リフォーム工事の補助金額は、最大60万円。子育て世帯や若者夫婦世帯、既存住宅の購入や長期優良住宅の認定を受けることが条件です。この他の条件であれば、1住戸につき最大20万円の補助金を受け取れます。補助金の上限に達するまで、同じ家のリフォームで複数回の申請が可能です。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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