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睡眠の質が上がる寝室をつくろう!快適な睡眠をとれる家づくりについて解説します!

睡眠のクオリティを上げるため重要なことのひとつが、寝室の環境づくりです。寝室がどのような空間であるかによって、眠りの質は大きく左右します。この記事では、快適な睡眠をとるための寝室づくりをご紹介します。すぐに真似できるポイントも多いので、ぜひ試してみてください。

寝室のレイアウトが睡眠にとって重要な理由

まずは、寝室のレイアウトが睡眠に与える重要性から説明します。寝室は、寝るために体を横たえる単なる場所ではなく、睡眠の質に関わる大切な空間なのです。

寝室は人生の3/1を過ごす場所!?

人間にとって睡眠は、必ずとらなければならないもの。その睡眠が、人生における1/3の時間を占めるとも言われています。つまり、人生の1/3は寝室で過ごすと言うこともできそうです。生きている間にこれだけ長い時間を過ごすとなれば、寝室の環境が睡眠の状態を大きく左右することもうなずけるでしょう。

寝室の雰囲気が睡眠の質に影響を与えることも!

寝室はレイアウトによって雰囲気ががらりと変わります。例えば、ホテルのような洗練された空間で眠りについたとき、翌朝の目覚めが普段より良かったという経験をしたことがある人もいるでしょう。また、引っ越しや模様替えなどによって、これまでの寝室とレイアウトを変えたら眠りの内容まで変わったと感じる人もいるかもしれません。寝室の雰囲気が睡眠に適していれば睡眠の質は高まり、反対に睡眠を妨げやすい雰囲気であれば良い眠りは得られなくなってしまいます。


寝室のレイアウトを考えるポイント

ここからは、寝室のレイアウトを考える際の主なポイントを見ていきましょう。

部屋の広さについて

寝室として十分な広さを確保することは基本的なポイントです。ベッドやサイドテーブルなど、寝室に必要な家具を配置した上で、無理なくスムーズに部屋の中を移動できるくらいの広さが欲しいものです。部屋を広く使うために気を付けたいのは、あまり多くの物を置かないこと。いくら広い寝室でも、設置するものが多いとスペースが狭まり圧迫感が生じます。また、置いた物が動線の邪魔をして過ごしにくい空間になってしまう可能性もあります。寝室をいろいろなインテリアアイテムで飾りたい、収納家具をたくさん置きたいなどの希望がある人もいるかもしれませんが、寝室は寝るために必要な物以外は置かず、できる限りシンプルなレイアウトにとどめるのが理想的です。設置したい物をリストアップし、優先順位をつけながら吟味しましょう。

ベッドの大きさについて

ベッドの大きさも寝室のレイアウトに大きく影響するのでじっくり考えたいところです。ベッドは寝室で最もサイズ感のある家具。構造上、部屋にずっと出したままの状態になります。そのため、ベッドの大きさありきで寝室のレイアウトを考えないと、部屋のサイズとベッドのサイズが合わないことになりかねません。自分が使いたいベッドを部屋に置いたらどうなるのか、具体的にシミュレーションしておく必要があります。


窓やクローゼットの位置について

窓やクローゼットの位置も、間違うと「こんなはずじゃなかった」につながりやすい部分です。特にクローゼットは扉を開くタイプが多くみられますが、この扉の可動域が重要。可動域を考えずに物を置くと、扉が引っかかってしまい思うように開閉ができなくなる場合もあります。扉を押し引きするタイプではなく、横にスライドさせるタイプを選べば開閉にそれほどスペースを要さないでしょう。また、窓のすぐ近くは部屋の中でも温度差が生じやすいので、できる限りベッドを配置しない方が無難です。夏は外の暑さが、冬は外の寒さが窓を通して部屋に伝わりやすい箇所なのです。暑さや寒さを感じやすい場所は睡眠が浅くなる可能性があり、上質な眠りを得にくくなります。もし窓辺にベッドを配置するなら、極力窓から距離をとったり、カーテンで外の寒さ・暑さをやわらげたりなどの対策がおすすめです。

睡眠の質が上がるその他のポイントとは?

睡眠のクオリティを上げるために意識したい、その他のポイントを紹介します。快適な睡眠を叶えるには、自分にとって眠りやすい環境を整えることが大切です。細かなレイアウトが眠りの質に影響することもあります。次に挙げるポイントは個々に手を入れやすい部分なので、自分が眠りやすいよう追及してみてください。

照明のポイント

照明も、質の高い睡眠を求める上で欠かせないこだわりポイントです。光は睡眠に大きく影響するからです。人間の体は光が照る明るいところでは覚醒し、暗いところではリラックス状態になり眠りやすくなります。これを利用し、寝室の照明で就寝に適した空間を演出しましょう。間接照明などやわらかな光を使えば、体が睡眠の準備をしやすくなります。照明の色も、青みの強い昼光色ではなく電球色など落ち着いた色合いの方が寝室には適しています。寝室での読書など明るさが必要な場面があるなら、手元だけを照らせる照明器具を使うのも手でしょう。


レイアウトや壁紙のポイント

寝室のレイアウトのちょっとした工夫によって、睡眠の質を向上させられます。例えば、ベッドは頭側を壁につけてレイアウトするのが良いでしょう。頭の周りが開放的だと、落ち着いて寝られない人が多く見られます。また、頭側が窓に向いていると、布団から出ている頭や首元が外気に影響を受け、体調を崩しやすくなる可能性もあります。ただし、ベッドの頭側以外の部分は少し周りの壁などと余裕を持たせてください。壁ギリギリにベッドを配置すると、壁が原因でかけ布団がたわみ、眠っているときに布団のすき間から空気が入ってきやすくなるからです。さらに、ベッドから寝室のドアが見えなければなお良いでしょう。ドアは「誰かが入ってきそう」という想像を駆り立てやすい部分であり、視界に入ると落ち着かない人もよく見られます。
また、壁紙も寝室の雰囲気を左右する重要なポイントです。具体的には落ち着いたカラー・デザインを選ぶのがおすすめ。例えば、ベージュやグレー、ブラウンなどのナチュラルカラーです。くすみカラーやパステルカラーなど優しさ・やわらかさが感じられる色も良いでしょう。
反対に、きらびやかなデザイン・インパクトが強いデザイン・カラフルなデザインなどは視界が刺激され、落ち着いて寝られないかもしれません。

空間のポイント

その他にも寝室を眠りやすい空間として整えるポイントは多々あります。例えば、眠りに集中できる空間を意識するには、家の中あるいは外からのにおい・音などにも注意しましょう。人・車の往来が多い通りや夜遅くまで営業している店があるなど、騒がしい場所に面した部屋は寝室に向きません。できる限り静かで、睡眠を妨げるもののない空間を整えたいものです。また、便利で過ごしやすい空間も意識したいポイントです。上質な睡眠がとれる寝室でも、使い勝手が悪ければストレスがたまる場所になってしまいます。例として、照明や家電など電気を使うものはベッド周りでスイッチのオン・オフができるととても便利です。ベッドの近くにコンセントがあれば、ベッドの上で家電を使ったり、モバイル機器の充電をしたりするのも簡単です。起きて活動する時間も寝ている時間も、どちらも快適に過ごせる寝室であれば、自分にとってお気にいりの空間になるでしょう。

寝室のレイアウトに気を配って快適な睡眠を実現しよう

上質な睡眠を得るためには、快適な寝室づくりが大切です。寝室のレイアウトに気を配れば、今までよりクオリティの高い眠りを叶えられるかもしれません。眠りは心身の健康に欠かせない大切なもの。睡眠の質にこだわることで、日々過ごす時間や自分自身にも良い変化を感じられることでしょう。ぜひ今回紹介した内容を参考に、寝室の環境を整えてみてください。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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