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梅雨時期の湿気対策やカビ対策ってどんなもの?|対策をして気持ちよく暮らそう!

生活の中で身近な存在であるカビ。いくら湿気に気をつけていたとしても、あっという間にカビが発生してしまいます。特にカビが発生しやすい梅雨が近づいてくると、どのように対処しようか悩む方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、梅雨時期の湿気対策やカビ対策についてご紹介していきます。

カビが生えてくる条件とは?

家の中に発生するカビですが、そもそもどのようなものなのでしょうか?カビが発生しやすい条件はあるのでしょうか?

そもそもカビってどんなもの?

カビは微生物群の一種で、菌の仲間の一つです。正確には真菌と呼ばれるもので、10億年程前から生息しているとされています。カビから胞子が飛び出した後、新しい場所で発芽し菌糸を伸ばして増やします。菌糸が伸びたところに栄養や水分が吸い込まれて、徐々に成長していくのです。基本的にどんな場所でもカビの胞子は漂っているため、少量程度なら吸い込んでも問題はありません。しかし、カビを大量に吸い込んだりカビが発生した食べ物を口にすると、喘息やアトピー性皮膚炎といったアレルギーの原因となります。

カビが発生する条件について

カビが発生しやすい条件は、「ホコリや汚れがある場所」「気温の高い場所(2530℃程度)」「湿度が6080%以上の場所」だとされています。汚れている場所や湿気の多い場所を好み、特に水まわりに発生しやすいのが特徴。梅雨~夏場にかけてカビが発生しやすいのは、カビが繁殖しやすい条件が整っているからです。カビの発生を防ぎたいなら、この3つの条件が揃わない環境をつくる必要があります。

カビが及ぼす影響は?

では、カビが発生するとどのような影響を及ぼすのでしょうか?

カビにも種類がある?

自宅で発生するカビの種類は、大きく分けて6種類あります。

・黒カビ

黒カビは、壁などに発生するカビの一種です。黒カビを放置するとアレルギーの原因となるため、なるべく早めに対処することが重要です。黒カビは素材の奥まで入り込むので、長期間放っておくと対処できなくなってしまうことも。壁に黒カビができた場合は、アルコール除菌スプレーを使って対応しましょう。黒カビの黒いシミを消すことはできないものの、除菌効果によりカビは退治できます。水まわりに黒カビが発生した場合は、塩素系漂白剤で除去することが可能です。

・白カビ

白カビは、食べ物や床など至るところに発生するカビです。見た目が同じような白カビでも性質が異なる場合があり、中には強い毒を持つタイプも存在します。そのため、他のカビと同様に、カビを吸い込まないように注意が必要です。白カビは表面に発生するカビなので、アルコール除菌スプレーなどを吹きかけて拭き取れば簡単に除去できます。なお、カマンベールチーズやブルーチーズに用いられるカビも、白カビと呼ばれています。

・青カビ

青カビは空気中に常に存在するカビで、食べ物などに発生しやすいタイプです。青カビが生えたパンなどの食品を食べてしまうとアレルギーの原因になるので注意しましょう。特に毒性があるカビではないものの、青カビが生えていると他の種類のカビが生えているかもしれません。食品に青カビが発生したら、その食品を丸ごと処分することをおすすめします。

・赤カビ

浴室など湿気が多い場所に発生しやすいカビです。特に浴室の床や壁などに繁殖しやすい傾向にあります。浴室がピンク色になっていれば、赤カビが発生した証拠。赤カビは繁殖力が強く、水だけで増殖します。赤カビが発生した場合は、塩素系の漂白剤を使って掃除することをおすすめします。漂白剤を吹きかけて数分放置した後、シャワーで洗い流します。それでも汚れが残った後は、お風呂掃除用洗剤を使ってこすり落としましょう。掃除の後はしっかり乾燥させておくことが大切です。なお、赤カビは、50度以上のお湯をかけると死滅するという特徴があります。お風呂に入った後に熱めのシャワーをかけるのも効果的でしょう。

・緑カビ

緑カビは、自宅の中でも特に湿気の多いところで見られるカビの一種です。畳の裏や木材に生えることが多く、梅雨の時期になると木造住宅で発生するケースが多い傾向にあります。緑カビの胞子を吸い込むと、喘息を発症する可能性があるので気をつけてください。緑カビは、塩素系漂白剤やアルコール除菌スプレーを使って除去できます。

・黄カビ

黄カビは、別名「カワキコウジカビ」と呼ばれるカビの種類です。他のカビが発生しないような乾いた場所にも発生します。衣服に黄カビが発生した場合は、塩素系漂白剤などで洗濯してください。他の洗濯物と一緒に洗うとカビが移る可能性があるので、必ずカビが生えたものは別にして洗いましょう。

有害なカビには気を付けよう!

カビの中には、人間や動物に対して有害な毒を持つカビ毒という種類があります。穀物やナッツ類などに寄生する「アフラトキシン」は、発がん性化学物質であることで知られています。小麦やとうもろこしなどに発生する「デオキシニバレノール」は、嘔吐や下痢などのリスクがあるのが特徴です。他にもさまざまな種類のカビ毒が確認されています。カビ毒は比較的熱に強いため、火を通しても除去されることはありません。食品を使用する際は、カビが発生していないか確認した上で調理に使うようにしましょう。

カビを発生させないための対策とは?

ここからは、カビを発生させないための対策についてお伝えします。

まずは換気をして防ごう!

カビの発生を防ぐためには、部屋中の湿気を下げることが大切です。毎日窓を開けて換気したり、エアコンのドライ運転を活用しましょう。特に天気のいい日は積極的に窓を開けて、部屋の中の空気がこもらないようにします。部屋の中だけでなく、クローゼットや押入れの中の換気も行ってください。ただし、外の湿度が高い日に換気をすると、部屋の中の湿度が上がってしまうので注意が必要です。

カビ対策グッズを使って防ごう!

カビ対策グッズを使って防ぐのもおすすめです。押入れや靴箱など湿気がこもりやすい場所には、除湿剤や乾燥剤を置いてください。置き型タイプや吊り下げサイプなど、さまざまな種類の除湿剤があります。押入れや靴箱には置き型タイプ、クローゼットには吊り下げタイプなど、場所に合ったものを活用しましょう。浴室のカビ対策として、水切りワイパーを用意するのも良いでしょう。

 

浴室を利用した後に水切りワイパーで水滴を取る習慣をつけておくと安心です。珪藻土グッズを取り入れるのもおすすめです。珪藻土は吸水性が高く、濡れてもすぐに乾くのが特徴。バスマットや傘立てといった湿気が気になる場所に珪藻土グッズを置くのも良いでしょう。また、布団やマットの下には除湿シート、畳やカーペットの下には防カビシートなどを利用するのも便利です。

冬場にできた結露のカビも対策しておこう!

外気が冷たい冬の時期に部屋が暖かいと、窓や玄関扉などに結露ができます。結露を放置したままにしておくと、カビが生えてしまうことがあるので注意が必要です。そのまま梅雨の時期に入った場合、カビが増えて胞子をまき散らしてしまうかもしれません。窓に結露ができた時は、早めに雑巾などで水滴を拭き取るようにしましょう。

 

カビ対策をして梅雨の時期も快適に過ごそう

 

梅雨のような湿気の高い時期は特に、カビが発生する可能性が高くなります。カビ対策グッズも積極的に取り入れて、カビが発生しないように気をつけたいですね。カビが発生してしまった時は、しっかりとカビを除菌して再発を防いでください。それぞれのカビの特徴や発生しやすい場所を把握して、カビが発生しにくい環境を整えましょう。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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