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花粉症対策をして快適に過ごそう!花粉症対策の住まいづくりとは?

いまや春の知らせの1つにもなっている「花粉症」。
花粉症はアレルギーの種類によって時期が変わり、春に限らず初夏や秋頃に花粉症で悩んでいる人も珍しくありません。
花粉症というと外出時のイメージがありますが、家に帰ってきても花粉症がおさまらず、一日中くしゃみや鼻水に悩まされてしまうこともあるでしょう。
その場合、家の中に花粉を持ち込んでしまっていることが大きな原因として考えられます。
花粉症対策をして快適に過ごすための住まいづくりをご紹介します。

家の中に花粉を持ち込んでしまう3つの原因

花粉は屋外で飛散しているものですが、家の中に無意識に持ち込んでしまっていることがあります。その3つの原因を解説します。

玄関の出入りや窓の隙間

家の中に花粉が入り込む入り口は、実はたくさんあります。人が出入りする玄関をはじめ、窓にも小さな隙間があるため、どこから花粉が入ってきてもおかしくありません。玄関は空気圧の関係もあり、開けた瞬間に外気が入りやすいです。窓は建て付けのゆがみやサッシのすき間があるため、完全に塞ぐことは難しくなります。

髪や洋服への付着

自分自身が無意識のうちに家の中に花粉を持ち込んでいるケースも多いです。外出すると髪の毛や洋服にはたくさんの花粉が付いています。そのまま家の中に入ればたくさんの花粉を持ち込んでしまうため、花粉症に苦しむ大きな原因となります。髪の毛に花粉が付着していると、自分が移動する場所に花粉を振り撒いてしまうのです。

洗濯物への付着

あたたかい日に外で洗濯物を干すと気持ちが良いものですが、花粉症の方には悪影響で、家の中に花粉をたくさん入れてしまう原因になってしまいます。洗濯物は長時間外に干すので、その分付着する花粉の量も少なくありません。取り込む際に一気に花粉を取り入れてしまうので、家の中は花粉が大量に舞ってしまいます。

花粉症対策ができる住まいづくりのポイント

家の中に花粉が入ってしまう原因を防ぐことで、花粉対策ができる住まいづくりが可能です。室内に花粉を入れないように対策する、住まいづくりのポイントを解説します。

最適な換気システムを導入

家の中の花粉対策には「換気」が大きなポイントになります。換気は外から新しい空気を取り入れて、家の中の汚れた空気を外に排出します。花粉を入れないようにすることや減らすようにするためには、換気能力を見直すことが大切です。

住宅に採用されている換気システムは4つのパターンがあります。
第一種換気:給気と排気の両方が機械でできる

第ニ種換気:給気を機械でできる

第三種換気:排気を機械でできる

第四種換気:開口部から開口部による自然換気

一般的な家庭では、空気を外へ排出する第三種換気がよく利用されています。第三種換気では、給気するには開口部からの取り入れが必要なので、花粉が入り込んでしまいます。そこで、花粉症対策に適した排気システムは第一種換気です。第一種換気は給気と排気の両方を、機械的にコントロールできます。窓を開口する必要がないので花粉が入りにくい状態で換気が可能です。

隙間がない住まい

花粉が家に入りこまないための基本でもあるのが、隙間がなく気密性の高い家であること。隙間が多い家だと、いくら花粉を持ち込まないようにしても入り込んでしまいます。気密性の高さは花粉対策だけでなく、冷暖房環境などにも関わるので配慮したいポイントです。

玄関収納の充実

人の出入りによって家の中に持ち込まれる花粉量は多いです。上着や帽子にも付着していて、払っても静電気で落としにくいこともあります。玄関収納に上着や帽子をかけられるクローゼットがあれば、それ以上先に花粉を持ち込んでしまう心配はありません。

室内干しができるスペース

洗濯物は天気の良い日に外で干すのが気持ちいいですが、花粉症対策となると外干しが症状の悪化につながる原因になってしまいます。また、花粉が多く飛散する時期は乾燥しやすい傾向にあり、衣類の静電気によって花粉がつきやすい状態でもあります。洗濯物に花粉が付いた状態で取り込んでしまうので、家の中に花粉が入ってしまうだけでなく、次にその洋服を着るときに花粉による反応を引き起こしやすくなります。外干しを避けるためには、室内干しできるスペースの確保が必要です。なるべく風通しの良い環境で換気ができる場所であることが好ましいでしょう。リビングでも問題はないですが、料理のニオイが洗濯物についてしまうので注意しなくてはいけません。

自分でできる花粉症対策

家の中の花粉対策は、身近な生活習慣から対策できることもあります。ちょっとした心掛けで家の中へ花粉を持ち込むことを防ぎ、室内での花粉症対策もしやすくなるでしょう。

家に入る前に付着した花粉を落とす

外出すると知らぬ間に髪の毛や洋服に多くの花粉が付いています。そのまま家の中に入ってしまうと花粉を大量にまき散らしてしまう原因になり、クローゼットにしまうと他の洋服にも花粉が付いてしまいます。家に入る前に髪の毛や洋服を払って、なるべく外で花粉を落とすようにしましょう。それでも完全に落としきることは難しいので、すぐにお風呂に入って洗い流してしまうのがおすすめです。

換気は早朝か深夜に

窓を開けて換気する場合は、時間帯に気を付けると家の中に花粉を入れ込んでしまうリスクを減らせます。花粉の飛散量は早朝・深夜が少ないとされているので、窓を開けて換気する場合には昼の時間帯は避けるようにしましょう。雨の日であれば、花粉は飛びにくいので時間帯関係なく換気がしやすいです。

こまめな掃除

家の中に入り込んだ花粉は、こまめな掃除でキレイにしましょう。掃除にもコツがあり、ホコリをはじめ花粉は空気中に舞っていますが、人の動きがなくなると床に落ちてきます。そのため、朝一番で掃除をするのが効率の良い掃除のタイミングです。掃除機を使用すると排気で花粉が舞ってしまうので、モップ等で先に拭き掃除をすることがおすすめ。また、テーブルやソファーの上にもたくさん落ちているので、床だけでなく家具も拭き掃除をすることで家の中の花粉を除去しましょう。

空気清浄機・加湿器の設置

家の中の花粉症対策は、最新家電に頼るのも良い方法です。花粉症対策に有効な家電は「空気清浄機」と「加湿器」。空気清浄機は空気中に舞っている花粉やホコリを清浄させる機能を持ち、フィルターやイオン発生器を使用して空気をキレイに保ちます。加湿器は、湿度が上がることで空気中に花粉が舞いにくくすることが可能です。乾燥対策として利用されていますが、同時に花粉症対策としても有効な特徴があります。空気清浄機と加湿器はどちらも花粉症対策に役立つ家電ですが、床に落ちた花粉まで除去してくれるものではありません。こまめな掃除は欠かさないようにしましょう。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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