家づくり

住みやすい家ってどんなもの?ストレスフリーな家づくりを解説!

「家ではストレスなく過ごしたい」という人は少なくありません。しかし、そうするための具体的な住宅の特徴やストレスの原因がわからないという人もいるでしょう。ここでは、ストレスフリーな家づくりのポイントを解説します。

ストレスフリーな住宅の特徴について

住みやすい家を手に入れるためには、ストレスフリーな住宅の特徴を把握して、住宅購入や建築構想の参考にしたいですね。ストレスフリーな住宅とは、ストレスを感じない住宅のことです。さまざまなことが原因で住宅の中でストレスを感じてしまうものですが、収納スペースと空間余白の観点からストレスフリーな住宅の特徴を2つ取り上げます。

収納スペースがまとまっている

収納スペースが1つの場所に集中していることは、ストレスフリーな住宅と言えるでしょう。外出の際、身なりを整えるために一箇所で準備することが可能で手間がかかりません。しかし、収納スペースが分散しているとあちこち歩き回って用意に時間がかかります。「忙しい朝の支度」「急な来客に対応する」など、収納スペースがバラバラで間に距離があるとストレスに感じてしまうのです。居住性の住環境が快適なだけでなく、普段の日常で生活しやすいこと、生活動線(行き来する線の動き)が効率的なことがストレスフリーな住宅を実現します。

空間に余裕がある

住宅に機能性と効率ばかりを求め過ぎず、無駄な空間があることもストレスフリーな住宅の特徴として挙げられます。空間に余裕がある住宅は、大きな住宅をイメージする人も多いですが、実は大きさよりも空間の使い方に工夫がある住宅を指します。例えば、基本的な室内レイアウトの工夫(仕切りを減らす、部屋をつなげる)が視覚的に空間を広く見せます。他にも、足元の段差が少なく広い通路や、収納スペースが十分に設置されていることで物を少なく出来ることでも余裕のある空間は生み出せます。また、インテリアを工夫することで住宅の空間が広く感じられることもあるでしょう。こうした空間の余裕がストレスフリーな住宅の特徴をつくり出すのです。

住宅でストレスを感じる瞬間は?

次に、住宅でストレスに感じる瞬間を3つ紹介します。ストレスを感じる瞬間が多いほど、ストレスフリーな住宅の条件から遠のいてしまうので、以下の内容を参考にストレスの少ない家づくりを進めてください。

空間が狭いとき

家で暮らしていてストレスを感じやすいのは、部屋や廊下、水回りなどの空間が狭い場所で活動するタイミングが挙げられます。例えば、よく料理をする主婦・主夫や一人暮らしの方がキッチンを利用する場合、流し台やコンロ、棚、その周辺空間など、狭くて使いにくいことはストレスになります。水回りは省スペースで住宅の間取りを決めることが多いため、空間に余裕を持たせにくいものです。そのため、古い住宅ほど水まわりの空間が狭く、息苦しさを感じやすいようです。

また、リビングや寝室では、「住宅を購入した直後」と「実際に住み始めて年月が経過してから」では、空間の広さへの印象も変わってきます。これは、物が置かれて、購入前に見学した住宅の間取りと距離感が変わってくるためです。このようなことから、空間が狭い住宅はストレスを感じやすく、ストレスフリーな住宅はそれらに対して空間に配慮されていることが多いのです。

プライベートの空間がない

ほかにも、住宅でストレスを感じる瞬間として、プライベートな空間が確保されていないことが挙げられます。例えば、吹抜け構造や仕切りのない部屋を設けて、極端に壁が少ないデザインの住まいもあります。開放感がある反面、プライベートな部屋が少なくなるため、個人の時間や活動を重視する人にとってはストレスに感じるタイミングが日常的に発生してしまいます。プライベート空間を確保できずに失敗してしまうケースとして、「住宅にそもそもプライベートにできる部屋が少ない」「住人(家族)が多く全員に個別の部屋を割り当てられない」などがあります。プライベートな空間を後からつくりにくいという問題もありますね。家づくりや住宅購入の際に、開放的なデザインのために仕切りの数や部屋数を制限せざるを得ない場合は注意をしてください。

暑さや寒さなどの外部的要因

住宅で過ごす中でストレスに感じる瞬間として、夏場や冬場の気温・湿度による外的要因もあるでしょう。夏場は蒸し暑くてクーラーのない場所が耐えられない、冬場は底冷えして床が冷たく暖房のない場所では寒いなど、四季のある日本では住宅の中にいても不快に感じる瞬間がよくあります。例えば、中古住宅やマンションで空調設備のない水まわりや廊下では、暑さや寒さのストレスを感じやすいものです。ストレスフリーな住宅の中には、これらの暑さ・寒さの外部的要因をストレスに感じにくいよう、最新の住宅設備には断熱(気密)・遮熱・遮光などの工法が積極的に採用されています。ただし、冷暖房は住宅の規模が大きく、気密性が低いほど費用が高くなります。住宅全体をストレスフリーにするよりも生活空間を限定して対策する方が費用対効果は高いでしょう。

ストレスフリーな家づくりのポイント

これまで、ストレスフリーな住宅の特徴やストレスを感じる瞬間を説明してきました。しかし、実際にストレスフリーを目指すためには、ポイントを押さえて家づくりを進める必要があります。そこで、ストレスフリーな家づくりのポイントを説明します。

安全を考慮した家づくりを意識する

住宅で暮らす・訪問するのは、健常な大人だけではありません。小さな子どもから障がいを持つ方、高齢者の方までさまざまな人がいるのです。そこで、ストレスフリーな家づくりのポイントの1つ目は、安全を考慮した家づくりを考えることです。例えば、足元が不自由な方や高齢者の方が一緒に暮らすのであれば、バリアフリーや段差を考えた住宅にします。子どもが多い家庭なら、風呂場や浴槽での事故を防ぐために適切な位置・高さへの手すりの設置です。転倒予防で廊下に手すりを設置する場合は、心臓の左側がおすすめでしょう。



また、ヒートショックを防ぐような断熱性の高い浴室設計なども安全を考慮した家づくりといえます。寒暖差を減らして、ベースとなる気温を上げることで風呂上がりのヒートショックによる死亡事故を起こりにくくするのです。

落ち着ける空間をつくることを意識する

ポイントの2つ目は、落ち着ける空間を意識的につくり出すことです。住宅に機能性ばかりを求めすぎて、空間に余裕がなく、圧迫感が暮らす人にストレスを与えることも珍しくありません。最近では、開放感のあるリビングを備えた住宅やトイレ・風呂など水回りに空間の余白をあえて生み出すことが積極的に行われています。上記のように、ゆったり落ち着きたい場所ほど、空間に余裕があるというわけです。それに何よりも、住宅購入時に空間の余裕を考えることは、住居選びの後悔を減らすことにも直結します。なぜなら、後から住宅が備える空間の大きさを変えるには、リフォームや改修の基礎工事を必要とするためです。当然、それには工期と業者探しの労力、費用がかかります。しかも、水回りの拡張や天井の吹抜けなどは、住人によるDIYといった小手先の工夫だけでは限界があります。

ストレスフリーの住みやすい家づくりに必要なこと

今回は、ストレスフリーな住宅の特徴やストレスを感じる瞬間、家づくりのポイントを解説しました。収納スペースと空間の余裕はストレスフリーな住宅の大きな特徴です。ストレスを感じる瞬間を知って、居住環境がストレスにならないようにしたいですね。挙げたポイントを参考に、ストレスフリーな家づくりを進めてください。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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