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電気代が高い!節電のポイントと節電対策をした家づくりを解説!

電気代が値上がりしている昨今、できるだけ節電して電気代を抑えたいと考える人は少なくないでしょう。住まいの節電対策としては、日頃の生活を見直すことで実行できる節電もあれば、電力会社の変更等によって可能になる節電もあります。幅広く節電方法の特徴を知ることで、節電のできる家づくりに役立ててください。

電気代を抑えるための節電ポイント

家計を圧迫する一因ともなる電気代。電気代を抑えるには、どのような節電ポイントに注目すればよいのでしょうか。ここでは、今日からでも実践できる身近な節電ポイントをお伝えします。

まずは日々の生活を見直そう

現代生活は、電気に支えられて成り立っている部分が多いものです。節電をするなら、まずは日頃のライフスタイルを見直すところから始めてみてください。

日中であれば電気を点けずに過ごせる空間でも、夜間には電気の灯りが必要になります。夜型の暮らしをしている場合、生活リズムを昼型に切り替えるだけで節電につながることもあります。また、冷房や暖房の設定温度を1度変えることでも節電効果を得ることが可能です。普段何気なく使っている電気の使い方を丁寧に見直して、節電できる部分がないかを探してみましょう。

電気代が多くかかる家電を見直そう

家電製品は、製品によって消費電力量が異なります。一般的に、古い家電の方が新しい家電よりも電力の消費が多いため、節電を考えるなら買い替えを検討するのも一つの方法でしょう。特にエアコンや冷蔵庫は、消費電力の差が大きくなりがちです。10年以上前の機種から最新の機種に買い替えると、エアコンであれば年間に約2万円、冷蔵庫でも年間に数千円程度の節電になることもあります。古い家電を大事に使い続けるのは素敵なことですが、思い切って新しい家電に買い替えることも有効な節電効果と言えるでしょう。
また、電球に関しては、消費電力が少ないLED電球に交換した方が節電効果を得やすいです。LED電球は、白熱電球や蛍光灯よりも可視光線への変換効率が良い電球。少ない消費電力でも空間を明るく照らすことができるので、明るさに不満を感じることなく節電しながら快適に過ごせる家づくりができるでしょう。また、寿命が長く、電球交換の頻度を減らして出費を抑えることができることも、LED電球のメリットです。

今からできる節電方法

日々の暮らしの中での心がけでできる節電方法が身についたら、さらに応用的な節電方法を考えるようにしましょう。契約する電力会社の見直しや、家電製品の使い方を見直しの重要性についてお伝えします。

電力会社を考える

節電のできる家づくりを目指すなら、契約する電力会社の見直しをしてみましょう。2016年の電力小売自由化によって電気会社が自由に選択できるようになりましたが、従来の電力会社をそのまま使っているという人も多いです。電力会社及び契約するプランを見直し、我が家のライフスタイルに合ったプランを選ぶことで、暮らしの快適さを保ちつつ賢く節電できるでしょう。
なお、電力会社を切り替える際には書面上の手続きは必要ですが、スマートメーターを設置済であれば変更に伴う工事は特に必要ありません。従来と同じ電線を使って電気が届くため、変更に伴う使いづらさや不便さを心配することなく電力会社の変更を検討することができます。


家電の使い方を考える

家電の使い方を考えることも、節電のできる家づくりをする上で重要なポイントです。家で使っている家電ひとつひとつについて適切な使い方ができているかを見直してみましょう。

暑い夏場や寒い冬場にエアコンを使う際には、サーキュレーターを併用すると良いでしょう。冷気や暖気が室内に循環しやすくなって節電効果が高まります。また、エアコンのフィルター掃除をこまめに行うことで、より効率よく冷気や暖気が届くようになるので節電につながります。
常に電源に接続して使う冷蔵庫については、季節によって強度を変更すると節電効果を得られます。高温になる夏場には強め、冬場は弱めの設定にすると、食品を適切な温度で冷やしながら節電ができます。また、庫内に入っているもの多いと庫内を冷やすのに多くの電力が必要になるため、中身を詰め込み過ぎないよう心がけることも重要です。

節電を考えた家づくりのポイント

太陽光発電システムや蓄電池を導入したり、家の断熱性や気密性を高めたりすることでも節電効果が得られます。ここからは、節電できる家づくりに役立つ設備面でのポイントをお伝えしましょう。

太陽光パネルの設置

太陽光パネルとは太陽の光を活用して発電するためのパネルのことで、一戸建て住宅の場合、屋根に設置されることが多いです。特に、南向きの屋根や適度な傾斜がある屋根は太陽光が当たりやすい条件が揃うため、太陽光発電を効果的に行えます。太陽光パネルの容量や配置の仕方によっても発電効率が変わってくるので、設置の際は専門業者のアドバイスも参考にしながら進めることをお勧めします。

太陽光による自家発電は、停電時の非常用電源としても活躍しますし、自家消費で余った電力については電気会社に売電して副収入を得ることも可能です。節電効果があるだけではなく、さまざまなプラス要素があるので検討してはいかがでしょうか?


蓄電池の活用

蓄電池とは、余剰電力を蓄えておくための電池のことで、太陽光発電と組み合わせて導入されることが多いです。太陽が出ている昼間に自家発電した電力のうち、自家消費ができなかった分を蓄電池に蓄えておくと、自家発電がしづらい天気が悪い日や夜間の電力として活用できます。太陽光発電×蓄電池を住まいに導入することで、省エネ・創エネ・畜エネが可能になるのです。

なお、太陽光パネルを設置していない家でも蓄電池は節電に役立ちます。電気料金が比較的安い深夜に蓄電池に電気を蓄えて、その電力を日中の活動時に使うようにすると節電効果を得られます。

また、近年のニーズに合う蓄電池のあり方としてV2H(ビークル・ツー・ホーム)も注目されています。電気自動車を蓄電池として利用し、住宅に電力を供給する方法です。電気自動車のバッテリーは、一般的な家庭用蓄電池よりも容量が大きいものが中心なので、暮らしに必要な電力を供給できるのが魅力となっています。

断熱性・高気密を高めよう

節電対策ができる家づくりを心がける上では、住まいの断熱性や気密性に配慮することも大事なポイントです。断熱性が高いと室内が外気の影響を受けにくくなり、気密性が高いと隙間からの外気の侵入を受けにくくなります。断熱性や気密性が低い家の場合、エアコンをつけても室内温度がなかなか希望の温度に調節できず、結果的に無駄に電気を消費してしまうことも。家づくりやリフォームの際に、断熱性や気密性にこだわった建材や仕様を選ぶことで、冷暖房効率が良くなり、少ない電力消費でも快適な室内温度・室内湿度を保ちやすくなります。

また、断熱性や気密性を高めるには、壁や床だけではなく窓もこだわって選びたいところ。窓の断熱対策としては、断熱性の高い窓ガラスの導入や二重窓の採用などが挙げられます。

電気代を抑えて、しっかり節電対策ができる家づくりのコツを理解しよう

電気代を抑えて節電対策をするためには、さまざまな観点から電気との向き合い方を考えたいですね。日頃の生活を見直すことでも、節電につながる行動が見つかることがあります。より効果的に節電ができる家づくりをしたい場合は、太陽光発電システムや蓄電池の導入を検討したり、家の断熱性や気密性を見直したりするとよいでしょう。

 

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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