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田舎暮らしってどんなもの?田舎暮らしのメリット・デメリットを解説!

定年退職や子育てなど、何らかのきっかけで田舎暮らしを考える人もいるでしょう。しかし、住環境が変わればさまざまな変化がともなうことを忘れてはいけません。この記事では、田舎暮らしを始める前に知っておきたいメリットやデメリット、注意点などを解説していきます。

田舎暮らしをするうえで大切なこと

田舎といっても、実際の環境は地域ごとでさまざまに違います。はじめに、田舎暮らしをするうえで考えておきたい大切なことをあげていきます。

自分が田舎暮らしに向いているか

まず大切なのは、自分が田舎暮らしに向いているか考えてみることです。単に「都心から離れてみたい」といった理由では田舎暮らしに向いているとはいえません。特に、都心育ちの人や長く都心で暮らしてきた人は、慎重な判断が求められます。自分はもちろん、家族についても向いているかどうか考えてみましょう。具体的には、田舎に移ったときに考えられる変化をあげてみることです。娯楽が少ない、公共交通機関が充実していないなど、田舎ならではのことはいくつかあります。不便な生活でも楽しむことができるなら、田舎暮らしに向いているでしょう。
田舎では人間関係が密になりがちです。必ずそうとは限りませんが、最低限の付き合いは必要になりますから、隣人との挨拶や地域への協力が面倒と感じる人は、そもそも田舎暮らしには向きません。

田舎暮らしをする目的を考えよう

なぜ田舎暮らしをするのか、目的を明確にすることも大切です。「土地を安く手に入れたい」「広い家づくりを実現させたい」など、田舎ならではの夢を実現するのもいいでしょう。または、転職をきっかけに田舎暮らしをするのも一つの考え方です。例えば、特産品の生産や伝統工芸品の製造など、その地域でしかできない仕事もあります。中には、気になった仕事があって移住を考える人もいるでしょう。
自分なりの目的を考えたら、次は目的に合った地域を洗い出していきます。やってみたい仕事がある人は、実現するための場所を探すことがポイントになってきます。静かに暮らしたいという人は、都心に近い田舎を選ぶのも選択肢の一つです。田舎に住みたいと感じたときは、何かしらの理由やきっかけがあるはずです。その理由とじっくり向き合い、真の目的を考えてみることで田舎暮らしの失敗を避けられます。

田舎暮らしのメリット・デメリットについて

では、田舎暮らしをすることでどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。一般的なことを中心に紹介していきます。

メリットについて

まずメリットとしてあげられるのは、田舎は地価が安いことです。空き家の貸し出しや売却に力を入れている地域も多く、都心より低い予算での家づくりを実現できます。農地付きの物件などもあるので、移住後に野菜作りを考えている人も手軽に始められるでしょう。広い土地でも都心より大幅に安い予算で購入でき、子どもがのびのびと遊べます。移住者に対して助成金や支援金を用意している自治体もあるため、移住にともなう費用を抑えられるのもメリットです。
全体的に物価が安く、治安が良いこともメリットとしてあげられます。採れたての野菜や特産品を直売する店も多いため、旬の食材が手ごろな価格で買えるでしょうし、自然豊かで、四季の変化を感じながら生活できるというメリットもあるでしょう。キャンプ場やリゾート地として人気の場所なら、家の近くでアウトドアも楽しめます。隣人に無関心な人が少なく、困ったときに助けてもらえるのも心強いポイントではないでしょうか。

デメリットについて

田舎暮らしのデメリットは、公共交通機関が充実していないことです。電車やバスの運行数が少なく、基本的には車がないと生活しにくいでしょう。ただし、観光地の中には観光向けのバスが充実しているケースもあります。その場合は上手に活用することで利便性を図れます。地域によっては、医療機関が充実していないこともデメリットです。症状によっては、他の地域まで通院や入院を余儀なくされることもあるでしょう。
娯楽や店が少ないこともデメリットです。ただ、オンラインショップの利用が多い人なら特に不便は感じない可能性はあります。それでも、ネットスーパーに対応していない店が多いので、日々の食材に関しては忙しくても買いに出なければなりません。また、人間関係が密になりやすい点もデメリットに感じる人もいるでしょう。人間関係については、いきなり親しく接するより一定の距離感を保つといいのではないでしょうか。

田舎暮らしでの注意点

田舎で良い物件を見つけたり興味を引かれる情報を目にしたりしても、すぐ移住を決めるのは避けましょう。実際に住んでみると理想と違っていたということもあります。そこで、田舎暮らしを実行する前に押さえておきたい注意点をいくつか紹介します。

いきなりの定住は避けよう

まず、いきなりの定住は避けることです。田舎暮らしを検討しているとき、ネットでさまざまな情報を探すこともあるでしょう。しかし、実際に移住するかどうかを決める前に、現地に何度か行ってみることです。観光で何度か訪れている場所でも、定住するのと観光客として行くのでは大きな違いがあります。
細かいことでいえば、ゴミの処分方法など生活に不可欠なことを知っておくのは大切なことです。可能であれば、短期間でいいので現地での暮らしを体験してみてください。移住希望者に向けて体験住居を用意している自治体もあるので、利用するのも良い方法です。何日か過ごしてみると、イメージとは違う部分が見えてくるかもしれません。もちろん、新たな魅力を発見できることもあります。
また、補助金や支援金が用意されている地域なら、利用にともなう条件をしっかり確認することです。空き家の活性化や土地の売却に力を入れている地域は、実際に現地に行って確かめておきましょう。空き家の中には相当手を加えないと住めない建物もあるので、写真だけで決めずに自分の目で見ることが重要です。公共交通機関の有無や地域の文化なども理解しておくと、自分に合っているか判断できます。

地域独自のコミュニティがあることも

田舎暮らしで変化しやすい要素の一つが人間関係です。田舎は横のつながりが強い傾向がありますが、移住者をすぐ受け入れてくれる地域ばかりとは限りません。例えば、地域に密着した仕事の従事者で形成されているなど、独自のコミュニティが存在していることもあります。そのような事情があると、無関係の業種ではなかなか馴染めない場合も出てきます。
自治体は移住者の受け入れに力を入れていても、住人が歓迎してくれるかどうかは別です。すでに移住者がどれくらいいるのか調査し、自分が加われそうなコミュニティがあるかどうかを考えてみましょう。職場の同僚や知人でその地域に詳しい人がいれば、あらかじめ地域性を聞いてみるのも判断材料の一つになります。コミュケーションとして考えたとき、言葉がわかりやすいかどうかも注意点です。



その土地での独特な表現や方言を知るのも、田舎暮らしの魅力といえます。暮らしながら自然に覚えていくのもいいですが、あらかじめ理解できるようにしておくことも、コミュニティに溶け込むために注意しておきたいことです。また、昔から大切にされてきた文化やお祭りなども、独自のコミュニティを形成する要素にあげられます。移住先の土地で愛されてきた文化を知り、理解しておくことも受け入れてもらううえで大切なことです。

その土地を理解して自分に合っているか考えて決めることが田舎暮らしには大切


田舎といっても、地域によって暮らす人も環境もさまざまに違います。まず田舎暮らしをする目的を明確にし、そのうえでどこが合っているか探してみましょう。メリット・デメリットを考えて自分に向いているか考えることも大切です。いきなり定住することはせず、現地を訪問して地元の人と触れ合ってみることも忘れてはいけません。そして、その地域のルールを守ることも田舎暮らしでは大切なことです。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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