家づくり

地震に強い住まいを作ろう!設計や改修のポイントを紹介します!

地震が多い日本では、どの地域に住んでいても油断することができません。
安心して住めるマイホームを建てるためにも、地震に強い設計や改修を知ることは大切です。
建築基準法の耐震基準を満たしていることが第一ですが、建物の強度や耐震性はより優れたものを追求する必要があります。
耐震性の高い家づくりのポイントを知っておくことで、より安心で安全なマイホームのイメージも沸きやすくなるでしょう。
今回は、地震に強い家をつくるポイントや注意点についてご紹介します。

地震で家が揺れる構造を知る

地震に強い家をつくるには、どのようにして地震で家が揺れるのか、そのメカニズムを知ることで対策のイメージがしやすくなります。家が倒壊してしまう場合、家が揺れることで傾き、上の重さを支えていた下のバランスが崩れることで家が潰れてしまいます。本来支えていたものが、揺れて傾くことで違う部分に負荷がかかってしまい、柱が折れてしまうことや、元のバランスに戻せなくなることが倒壊の大きな原因です。地震による被害を対策するためには、家のバランスと重さの部分を考えた設計ができていればリスクを軽減できます。

地震に強い家をつくる6つの設計・改修ポイント

地震に強い家をつくるには、設計や改修でポイントを掴んでおくことが大切です。どの家にも言える大きな地震対策のポイントは6つ。

1.     地盤の強さ

2.     耐震構造

3.     四角形の形状

4.     平屋建て

5.     屋根の軽量化

6.     定期的なメンテナンス

大切なマイホームを地震から守るための、それぞれのポイントを解説します。

地盤の強さ

家を建てる以前のポイントになりますが、地盤の強さは重要です。どんなに耐震性のある家を作っても、地盤が弱ければ意味がありません。家を建てる前に地盤調査が義務となっていますが、調査するためには家を建てる位置や間取りも関係してきます。地盤調査は費用がかかるので、その点も含めて検討しなくてはいけません。万が一、地盤に問題がある場合には、地盤工事が必要になり大きな費用が発生します。土地を購入する前に、ハザードマップなどを利用して事前の下調べが重要です。

耐震構造

地震に強い構造は、「耐震」「免震」「制振」といった3種類の構造があります。それぞれの構造は、技術が年々進化しており、築年数が新しいものはより強固な構造となっているものも多いでしょう。戸建て住宅の場合は、横の揺れに強い技術を取り入れ、頑丈な壁を利用して耐震性を高める構造が主流です。

四角形の形状

バランスの良い家であるためには、上から見たときに正方形や長方形の四角形であることがポイントです。4面が同等のバランスで支え合うので、揺れに耐えやすい特徴があります。2階部分が1階部分と形状が違う場合や、L字、三角形状といったケースは、地震で揺れるエネルギーが偏るので、倒壊リスクが高まる可能性があるでしょう。

平屋建て

2階建て、3階建てと高さや重さが出ることで、建物の揺れが強くなり、バランスを崩しやすい原因となります。平屋であれば、高さや重さが軽減できる分、揺れやダメージの軽減が可能です。平屋は前述で解説した四角形状が多いため、その点でも耐震性に有効なポイントになります。

屋根の軽量化

昔ながらの瓦屋根は重さがあるので、揺れによるバランスを崩したとき負担となる原因です。屋根は高い位置なので、重さがあると地震で揺れたときに、振り子のようになって揺れやすくなってしまいます。現在は、屋根に使用する材料も軽量化されているものがあるため、軽量なものを利用することで耐震性アップにも繋がるでしょう。

定期的なメンテナンス

定期的なメンテナンスは、耐震性を維持する大切なポイントです。ちょっとした傷などの劣化は、耐震性が下がる予兆にもなります。耐震性は築年数によって劣化してしまうので、定期的なメンテナンスが欠かせません。それを傷が浅い内に見つけて補修することで、耐震性の強度を維持できます。

地震に強い家の構造

地震に強い家の構造は、「耐震構造」「制振構造」「免震構造」の3つがあります。それぞれで設計や特徴が異なるので解説します。

耐震構造

耐震構造は壁や柱などを使って、地震の揺れから耐える構造です。2×4住宅とも言われる耐震構造もあり、頑丈な壁を組み合わせることで、耐震性のアップを実現しています。戸建て住宅では、このような耐震構造が採用されるケースが多いです。

制振構造

制振構造は、壁の内部に地震の揺れを吸収する装置を採用した構造です。「ダンパー」と呼ばれる装置で、地震による揺れや損傷のリスクを最小限に抑えてくれます。耐震構造よりも揺れを抑えることができ、免震構造よりもコストパフォーマンス良く取り入れることが可能です。

免震構造

免震構造は、建物と基礎の間に免震装置を採用する構造です。地面となる基礎が揺れていても、免震機能で建物は揺れていない状態となります。3つの構造の中でも1番地震に強い構造で、タワーマンションや高いビルで採用されている構造です。

地震に強い家をつくるときに気を付けるポイント

地震に強い家をつくるときに、気を付けたいポイントがいくつかあります。見た目や効率がよくても、耐震性に影響が出てしまうこともあるので気を付けましょう。

地盤調査

前述でも解説した地盤については、土地を購入してからだと地盤に問題がある場合は地盤工事が必要になり大きな費用が発生して大変なので、義務となっている地盤調査は欠かせません。地盤調査は費用がかかるので、検査費用を含めて予算を見ておくことが大切です。地盤は、家を建てる重要な土台になるので慎重に決めましょう。

ビルトインガレージ

1階部分に駐車スペースを設けるビルトインガレージは、狭い土地面積でも駐車スペースがつくれる方法です。しかし、ビルトインガレージは1階の壁面を少なくしてしまうため、地震の際の耐震性に影響が出る可能性があります。スペースの関係でビルトインガレージが必要な場合には、強度のある構造や材質などの工夫をするようにしましょう。

窓の設計

外からの採光を重視したいときに、窓の大きさや枚数を多くすることも考えられます。窓の部分は壁部分と異なり耐震性が劣る原因です。景色が良い眺望だと窓を多く設計したくなりますが、耐震性とのバランスを見て取り入れましょう。

増改築

家を建てた後に増改築するケースも少なくありません。その増改築は耐震性の部分で、よく注意が必要です。特に増改築で、家の形状が変化してしまった場合には、耐震性のバランスが崩れてしまうこともあります。元々の構造を確認して、増改築を進めるようにしましょう。

耐震等級を確認しよう

新築時に作成される書類の中で、「住宅性能評価書」があります。書類の中には耐震等級の項目があり、家の耐震評価を知ることが可能です。

・耐震等級1・・・最低限の耐震等級ですが、震度6強~7程度でも即倒壊しないランク。
・耐震等級2・・・耐震等級11.25倍相当の耐震です。

震度67程度でも修繕をして住み続けられるランク。

・耐震等級3・・・耐震等級11.5倍相当の耐震です。

震度67程度でも大きな損傷がないランク。防災関連の施設は耐震等級3の強度を確保しています。

監修 一級建築 代表取締役 原 康人氏

株式会社三建コンサル

個人・法人のお客様から土地や建物に関するご相談(空き家、相続、土地建物の売買など)を伺い、ご提案をしながら一緒に解決策を見出しています。建築設計はもちろん、土地の測量、農地転用や市町村の申請書類作成も行っており、「土地から建物の相談役」として皆様のお役に立てるよう努めています。

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