家づくり

防音室のある家!防音室のある家づくりについて解説します!

防音室は、一般的な家では設置されていないことがほとんどですが、楽器を演奏する人や、映画・音楽鑑賞が趣味の人には嬉しい環境です。
防音室があれば、近隣住宅や他の部屋の家族にも迷惑をかけないため、騒音トラブルになってしまう心配がありません。
しかし、防音室を設置するにはデメリットもあるので、気を付けたいポイントも知っておきましょう。
今回は、防音室のある家づくりのポイントや、防音室の種類についてご紹介します。

防音室はこんな人におすすめ

防音室のある家にすることで、音を気にせずに趣味や仕事をすることができます。今まで楽器の演奏ができずに悩んでいた方や、防音室がおすすめの人は検討してみてはいかがでしょうか。

楽器を演奏する人

楽器の音は響くので、防音室がないと家で使うことは難しいもの。楽器は趣味で演奏する人もいれば、仕事で演奏している人もいます。毎回専門のスタジオを使うのも大変なので、防音室があると便利でしょう。

映画やスポーツを大音量で楽しみたい人

映画やスポーツを大音量で楽しめると、映画館やパブリックビューイングのような迫力や臨場感を味わうことができます。大きなスクリーンや高音質のスピーカーを設置してシアタールームにすれば日常の楽しみも広がりそうです。

自宅でカラオケを楽しみたい人

老若男女問わずカラオケが好きな人は多いですね。家族はもちろん、友達と集まってカラオケを楽しむのも良いでしょう。最近ではカラオケ機器も購入しやすくなっているので、防音室があれば自宅で存分に熱唱できます。

趣味や仕事に集中したい人

防音室は、単に大きな音を出して良い場所というだけではありません。周りからの音をシャットアウトすることも防音室の役割です。周りの音を気にせず、趣味や仕事に集中したい場合にもおすすめです。

家に防音室をつくるデメリット

家に防音室をつくることで、デメリットが生じる場合もあります。家全体にも関わることなので、よく考えて家づくりをしましょう。

他のスペースが狭くなる

 

間取りに防音室を取り入れるということは、他の部屋の面積を狭くしなくてはいけません。一時的に必要なものなのか、何年かに渡って必要なものなのかによっても取り入れ方が変わってきます。全体のバランスを考えて、スペースの割合や方法を考えましょう。

 

費用が高い

防音室をつくるには当然のことながら費用がかかります。防音性能や面積などさまざまな条件にもよりますが、決して安いものではなく1坪当たり100万円以上かかることも珍しくありません。防音性能を下げれば安く抑えることもできますが、防音できてなければ意味がなくなってしまうので、ある程度の予算が必要になることを頭に入れておきましょう。

防音室の種類は2つ

防音室の種類は大きく分けて2つあります。

・組立式防音室

・リフォーム式防音室

それぞれで特徴が異なるので、使用用途やイメージに合わせて選択しましょう。

組立式防音室

組立式防音室は、個室のようなイメージで簡易的に設置できる防音室。新築時だけでなく、後からリフォームで設置できるタイプになります。大きなスペースの防音室ではないため、1人だけで使用したい方には最適です。ある程度希望に合った大きさでつくることもでき、組み立て式で簡単なので、施工期間も短く設置可能。短期間で使用したい場合には十分な方法でしょう。もし引っ越しになった場合でも移設できるところがメリットです。

リフォーム式防音室

リフォーム式防音室は、ひと部屋丸ごと防音室にしてしまう方式。こちらも新築時に限らず、施工ができます。壁・天井・床・ドアなど全面に施工ができ、どれくらいの防音性の素材を使用するかなどを決めることが可能です。費用によって防音性能も調整できます。現状のスペースをそのまま防音できるので、空間が窮屈に感じることや不便になってしまうことはありません。

防音室の仕組みとは

防音室は、吸音材と遮音材を用いてつくられています。「吸音」は音を吸収することで音の反射を防ぐ目的があり、「遮音」は音が通り抜けできず跳ね返して防音する方法です。この2つの素材をバランスよく組み合わせることで、用途に合った防音が可能になります。また、環境によっては音による振動を抑えることもしなくてはいけません。吸音と遮音に加えて防振が必要となり、特にコンクリートを使用した部屋の場合、振動によって音が響きやすくなるため、吸音材と遮音材のバランスが変わってきます。このように環境や使用用途によって防音室の仕組みも違ってくるのです。

防音室の設置で気を付けたいポイント

防音室を設置する前に、気を付けておきたいポイントがいくつかあります。防音室の施工には大きな費用がかかるので、よく考えて決めておきましょう。

防音する用途を明確に

防音室は、何を目的に使用するか明確にすることが大切です。映画鑑賞のようにスピーカーから出てくる音なのか、楽器の音なのかによって防音性能が変わってきます。また、楽器の中でもピアノなのかドラムなのかなどによっても防音性能が変わります。細かな用途によって使う資材や設計が変わってくるため、防音する用途を決めるようにしましょう。

必要とする防音性

使用用途として、どれくらいの防音性が必要になるのか想定してみましょう。音の大きさは「デジベル」という単位で表記されます。例えば、掃除機や電車の音になると70デシベルくらい。交通量の多い道路の騒音になると80デシベル、カラオケやパチンコ店の音になると90デジベル、ガード下の電車の騒音になると100デシベルくらいが想定されます。車のクラクションやオーケストラの演奏で110120デシベル、ギターやピアノ、ドラムといった楽器の演奏の場合は、80120デシベルが目安となりそうです。

音の大きさを表すデシベル以外にも、遮音等級を表すD値というものがあります。D値は音を遮ることができる数値で、例えば、100デジベルの音を30デシベルまで下げたい場合は、「100-3070」のD-70の遮音等級が必要となります。遮音性能を判断する基準になるため、0デシベルを目指すのか30デシベルを目指すのかによって資材や設計、費用も大きく変わります。デシベルとD値に関しては、防音レベルや設計を決める際に出てくるのでイメージとして覚えておきましょう。

将来的な変化も見据えておく

防音室はライフスタイルの変化により、将来的に使わなくなるケースも考えられます。その時に無駄なスペースにならないよう、他の用途で使う想定もしておくと良いでしょう。

実績のある施工業者に依頼する

防音できる材料を揃えれば、DIYが得意な人であれば簡易的に施工できるかもしれません。しかし、防音室というのは特殊な設計を必要とするため、防音室の施工に慣れている業者に依頼をおすすめします。業者によっては思ったような防音ができないケースもあるので、実績が豊富な業者ならより安心感があるでしょう。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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