家づくり

土間のある家でおしゃれに暮らそう!間取りのポイントからメリット・デメリットを解説します

今、家づくりで注目されているものに「土間」があります。
土間というと昔の家にあるイメージを持つかもしれませんが、おしゃれな住まい空間として活用されているのです。
土間を活かした利便性の高い間取りを考えることもできます。
今回は、土間のある家づくりのポイントや、間取りのメリット・デメリットについてご紹介します。

土間とは?土間の役割とは?

土間とは、家の中で床を張らずに、地面のままにしてある土足でも歩けるスペースのこと。玄関から居住空間との間につくられるケースが多く、昔は、農具や漁の道具を置く場所、食事の仕込み場所など実用的なスペースとして活用されてきました。そんな土間が大きく変化して、おしゃれな家づくりのポイントとしても取り入れられているのです。

土間のある家が人気を集めている理由

古くから日本家屋に取り入れられてきた土間ですが、現代の家づくりでも注目されています。土間が人気の理由は大きく3つ。

・おしゃれな空間

・実用性のあるスペース

・幅広い用途で使える仕様

それぞれについて解説します。

おしゃれな空間

土間スペースを「おしゃれに演出できる」ことは大きなポイントでしょう。演出方法はさまざまですが、お気に入りの自転車を置いてガレージ風にしたり、自然を活かしたインナーテラスにしたり、リビング・ダイニングの一部としたり、選択の幅は広いです。床面ではないことから個性的な雰囲気が出せるため、自分らしさを大切にした空間づくりを楽しめます。

実用性のあるスペース

実用性の高さも土間の特徴です。現代の住宅はコンパクトなものが多いため、玄関や収納スペースに困ることも少なくありません。土間であれば、置き場所に困りがちなベビーカーや子どもの遊び道具、アウトドア用品なども置きやすくなります。

幅広い用途で使える仕様

他の居住空間とは違う雰囲気や、床を張っていない仕様を活かして幅広い用途で活用できます。魅せる収納スペースとしたり、ペットや子どもの遊び場所、トレーニングルーム、音楽鑑賞や読書を楽しむリラックススペースにしたり。家の中でありながら、土間だからこそ実現できる個性的な空間をつくることができるでしょう。

土間のある家のメリット

土間のある家は、空間の特性や仕様によるメリットがあります。デザイン性や利便性など、それぞれの特徴を解説します。

個性的な空間がおしゃれ

土間をつくることで、リビングとは一味違ったおしゃれな雰囲気を演出できます。土間はどの家にもあるスペースではないので、間取りの中でも個性や存在感を出しやすいです。居住空間との立体感が出せるため、独立したスペースとして趣味や個性を活かした空間を実現できるでしょう。

汚れや濡れてもOK

土間はフローリングのような床材が張られていないため、汚れやキズを心配しなくても大丈夫。自転車やアウトドア用品、ペット用品、子どもの遊び道具は、砂や水で濡れていることもよくあるでしょう。フローリングだと置きづらいものでも土間であれば気がねなく置ける上に、水を使った掃除もできます。

夏場は涼しい

床材を張らない土間には、コンクリートやタイルが使われます。熱伝導率や蓄熱性能が高いとされており、直射日光が当たらなければ涼しく過ごせる場所になります。夏のエアコンの節電にも有効なスペースとなるでしょう。

土間のある家のデメリット

土間を取り入れることはメリットばかりではありません。デメリットがあることも理解しておきましょう。

寒さや湿気に弱い

涼しく感じられるメリットがありますが、反対に寒さには弱く湿気が溜まりやすい特徴があります。あたたまるまで時間がかかるため、対策するには断熱材を使用するなどの工夫が必要です。また湿気が溜まりやすく、結露が発生しやすいデメリットもあります。湿気対策には、調湿性能のある素材をタイルとして使用するのがおすすめです。

掃除がしづらい

フローリングのように汚れを気にしなくていい分、使用用途にもよりますが掃除が大変なケースがあります。土や砂汚れが多い場合には、家庭用掃除機だと壊れてしまう恐れがあるため、土砂対応の掃除機やほうきを使って掃除することをおすすめします。汚れがひどい時は水洗いができる利点もありますが、その場合は排水口をつけるか、デッキブラシやモップ掃除が必要になるでしょう。その際は、土間がしっかり乾くように通気を良くしておくことも重要です。

居住空間が狭くなる

居住空間の一部を土間にあてるので、その分、床を張った居住空間が狭くなります。リビングやキッチンのスペースを重視したい方には不向きな場合もあります。住みづらくなってしまっては意味がないので、重視するところと土間の活用方法を決めてから取り入れましょう。

土間を作る前に決めるべきこと

土間のある家をつくる場合、まず決めておくべきポイントが3つあります。

・土間をどのように活用するか

・土間の素材を何にするか

・土間の湿気・寒さ対策はどうするか

何のために土間をつくるのか、それが本当に活用できるスペースなのかをしっかりイメージしましょう。前述したデメリットに対し、どのように対策するかを先に考えておくのがポイントです。一度つくってしまうとリフォームも簡単ではありませんので、用途や対策を考えて進めてください。

活用方法

土間のスペースをどのように活用するかをイメージしておきましょう。ライフスタイルや子どもの成長と共に使用用途が変わってくることもあるので、長い目で考えることをおすすめします。

<代表的な活用例>

・ガレージ

・サンルーム

・収納スペース

・子どもやペットの遊び場

・趣味のスペース など

素材

土間の床材は、モルタルやタイル、石を使用したものなど素材によって雰囲気も大きく変わります。
また、空間デザインの面だけでなく、お手入れや掃除のしやすさも大事なポイントです。デザイン性だけでなく機能性や特徴を考慮して土間の床材を選ぶようにしましょう。耐久性の高いものや、メンテナンスがしやすいものなどさまざまです。

湿気・寒さ対策

個性的でおしゃれな空間を演出できる土間は利便性も高いですが、寒さや湿気対策は考えておきましょう。つくった後に「こんなに寒いとは思わなかった…」「カビが生えちゃった…」となると後悔してしまうことになります。土間部分の寒さをそのままにしていると、隣接した室内に伝わって底冷えをしてしまいます。地域や設置場所にもよりますが、断熱材を用いて気候の変化にも快適に過ごせるようにしましょう。
また、寒さだけでなく湿気や結露に弱い特性もあるので、断熱材でも対策はできますが、壁面に調湿効果のある珪藻土や漆喰を取り入れるのもおすすめです。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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